「音楽」を着る。耳が不自由な人のための体感型スマートシャツ

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”Music Should be for everyone” そう言い切るこの動画を見て鳥肌がたった。序盤にある数秒のサイレンスモーメント。その後突如として、音楽が現れる。身体中がざわめいた。この体験こそが、実際に耳が不自由な人がこのスマートシャツを着た時の体感なのだ。コンサートへ一度でも行ったことのある人なら、音楽は耳で聞くものであり、また同時に身体で感じるものだということを知っているだろう。

近年は、ラルフローレンが運動量を測定できるスマートシャツを販売するなど、洋服をも電子化した商品が続々と出ており、これまでは主に健康管理目的の商品が多かった。しかし、今回はそんな概念を飛び越え、非常にユニークなコンセプトで開発されたスマートシャツが登場した。

ドイツ発、音楽の振動を肌で感じることができる「サウンドシャツ」だ。

テクノロジーとファッションを組み合わせた商品を主に製作しているCuteCircuit社が、ドイツのユンゲ交響楽団ハンブルクオーケストラと協力し、6か月かけて開発したこのシャツは、クラシック音楽をワイヤレス振動に変換し、耳が不自由な人でも音楽が楽しめるように仕上がっている。

仕組みはこうだ。まずサウンドシャツ・ソフトウェアが、コントラバス・チェロ・ホルンや大パーカッションを含めた、8つの異なったタイプの音を解釈し、それらのデータを「サウンドシャツ」へ無線で送信する。そして、音楽の強度を、シャツに設置した16個のマイクロアクチュエータへ振動として転送する。例えば、コントラバスは腹部に、バイオリンは腕部にといった具合だ。音をダイレクトに体感できる。

現在、オーケストラは全ての観客を対象にこの「サウンドシャツ」の体験期間を設けており、興味があると意志表明すれば、これを身につけてコンサートを聴くことが可能だ。

音楽の新たな側面を体験する。耳が聞こえる人でも楽しめる商品であることは間違いない。

ファッションとは、人生にとって必須ではないが、個々の人生に彩りを与えてくれる大切なものだ。そのファッションが、この「サウンドシャツ」を通じて、新感覚な音楽の楽しみ方を教えてくれる。テクノロジーの発達により、世の中は確実に便利になった。これらの優れた技術を活かし、この商品のように人々のサポートや生活のほんの一瞬を彩ってくれるような優しい商品が今後もどんどん開発されるのなら、未来はますます楽しみなものとなる。

【参照サイト】Das Sound Shirt