パリ発、大気汚染の状況をリアルタイムに教えてくれるお洒落スカーフ

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ある日、のちに「Wair」の設立者となるキャロラインがパリの街をいつものように自転車に乗って走っていたところ、もうこれ以上のサイクリングは無理だと感じた。空気の汚れがひどく、街の中で息をすることが困難になったのだ。彼女はすぐに持っていたマスクを装着したが、それさえも心地よくないと感じた。

マスクよりも心地よく、ファッショナブルで、なおかつ大気汚染による健康被害を少しでも緩和してくれるもの。例えばスカーフが、空気の有害物質の排出を中和してくれるとしたらどうだろうか。

この思いつきがきっかけとなり、当時ファッション業界で仕事をしていた彼女は「肺を守る」お洒落なウェアラブルデバイスのアイデアを思いついたのだ。

呼吸困難になるほど肺に影響を与えるレベルの大気汚染が、パリの街でも進んでいるとは驚きだ。今や大気汚染は世界中の問題となっている。特に深刻な事態となっている中国では、大気汚染が原因で1日に約4千人が死亡しているというデータが出ている。

現在は試作段階であるこのスカーフ「Wair」は、皮膚を必要以上に刺激することのないよう着心地の良さにこだわり、ぴったりとフィットするようにデザインされている。身につける上でお洒落であることは大前提としつつ、このフィット感が、汚染された空気が肺へ侵入するのを効果的に防いでくれる役目も果たしている。スカーフの素材は大気汚染物質をフィルタリングできる革新的なろ過システムを統合して造られているのだ。

またスカーフの一部に付けられたデバイスが、どんな場所へ移動しても常にリアルタイムで空気の質を感知することで、汚染状況がスマートフォンアプリに届くという仕組みになっている。このアプリからの情報によって、より効果的に大気汚染から身を守ることができ、また吸収量のデータを保存することも可能になっている。

この画期的なウェアラブルデバイスのスカーフは、2017年夏に発売予定。バラエティに富んだデザインや色から作られており、サイズも豊富でキッズ用も揃っている。

海外では口元を隠すことはあまり好印象ではないため、人々はマスクの着用を避けたがる傾向がある。世界のファッションの中心地の一つでもあるパリからこのようなウェアラブルデバイスが発売されるのは当然の流れのような気もする。「ファッション」+「テクノロジー」=「健康」というコンセプト、ぜひ試してみたい商品であることは間違いない。

【参照サイト】Wair

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