ドローンが命を救う。ルワンダで始まった世界初の公共ドローンデリバリーサービス

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「ラストワンマイル」という言葉をご存じだろうか?直訳すると「最後の1マイル」という意味だが、主に物流や通信などの世界で使われるキーワードで、インフラの未整備などが問題でサービスが行き届いていない遠隔エリアのことを指す。

開発途上国では、この「ラストワンマイル」がそこで暮らす人々の命に関わる重大な問題となっている。都市部から離れた遠隔地では、道路などの交通・輸送インフラの未整備が原因で生活や医療などに必要な物資が十分に届けられず、結果として毎日のように多くの命が失われているのだ。

この「ラストワンマイル」問題を解決するべく、ドローンという新たなテクノロジーを活用し、世界で初めて政府主体のデリバリーサービスを始めた国がある。アフリカのルワンダだ。

ルワンダ政府は10月から、同国西部の遠隔地域に存在する21の輸血施設に対し、ドローンを活用して血液を届けるサービスを開始した。

遠隔地の医療インフラに課題を抱えるルワンダでは、分娩後出血が妊婦の主な死因となっている。女性の命を救うためには新鮮な血液の輸血が必要だが、地方部では雨季になると大量の水により道路が機能せず、血液の輸送が困難なために結果として多くの命が奪われていた。

そこで政府が目をつけたのがドローンなのだ。このデリバリードローンとそのオペレーションを構築したのは、米国カルフォルニアに拠点を置くロボティクス会社のZiplineだ。同社はルワンダ政府らと協働し、世界初となる公共ドローンデリバリーサービスを開発した。

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ルワンダ西部の遠隔地にある輸血クリニックは、血液の在庫不足などの緊急時には携帯電話のメッセージで血液の輸送を依頼することができる。Ziplineはメッセージを受信すると、ルワンダ中心部のMuhangaに設けられた配送センターで待機している「Zip」と呼ばれるドローンを活用し、依頼があった施設に血液を届けるという仕組みになっている。

このZipは雨風などの天候に関わらず150kmまで飛行可能で、1.5kgの血液まで輸送が可能だという。これは一人の命を救うのに十分な血液の量だ。また、このサービスにより一日のべ50~150回程度の飛行が可能で、西部にある21施設へは約30分で配送が可能とのことだ。

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現在15台のドローンが配備されており、当初は血液の輸送のみだが、今後はその他にも薬やワクチンの輸送にも対応予定だという。また、政府は今後このデリバリーサービスを2017年前半までにルワンダ東部まで拡大し、同国で暮らす約1,100万人の人々全てに必要な医療物資を届けられるようにする計画だ。

ドローンというテクノロジーの進化により、開発途上国のラストワンマイルで暮らす人々は大きな恩恵を受けることになりそうだ。まさに”Tech for Good”の好事例だと言える。今後、同サービスが一日も早く他の地域へと広がり、一人でも多くの人々の命が救われることを願いたい。

【参照サイト】The Future of Healthcare is Out for Delivery
【参照サイト】Up To 150 Emergency Medical Drone Flights a Day