Googleマップがバリアフリー対応に。「20%ルール」から生まれたアイデア

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今や世界で最も広く使用されている地図サービスといえば、Googleが開発している「Googleマップ」だ。世界中の地図や写真をアーカイブすることで人々の暮らしを便利にしてきたGoogleマップが、また一つ世界から「小さくて大きな」壁を取り除いた。

Googleローカルガイドチームは12月15日、新たにGoogleマップに車椅子対応の項目を追加したとGoogle+上で発表した。この機能により、車椅子や杖、ベビーカーを使用するユーザーは、地図上にある施設や店舗がバリアフリーに対応しているかどうかがすぐに分かるようになった。

Googleには業務時間の20%を自分の好きなプロジェクトに割いてよいという社内制度、いわゆる「20%ルール」が存在する。今回、Google社員らはこのルールを使ってGoogleマップに車椅子対応の情報を追加した。

(※Google Local Guidesより引用)

「20%ルール」はGoogleが導入している有名な社内制度の一つで、社員の創造性と自主性、そして個々の優秀さに対する信頼をベースとして成り立っているルールだ。実際に、私たちが日常的に利用している、Gmail、Googleアドセンス、Googleニュースといったサービスはすべてこの「20%ルール」のプロジェクトから生まれており、会社全体にも大きな好影響をもたらしてきた。そして今回の車椅子対応機能も「20%ルール」を利用する社員によって創られた。

この車椅子対応表示機能を開発したグループを率いるリオ・アカサカ氏は、通常業務ではクラウドのファイルホスティングサービスであるGoogleドライブのプロダクトマネージャーを務めている。そして、この「20%の時間」では、Googleマップのアクセシビリティ機能を担当するプロダクトマネージャーとして活躍している。

昨年、Googleマップではアクセシビリティガイドラインの導入について5~10名によるコントリビューターの参画があり、既存のマップツールに加えて車椅子利用者のための機能を追加するアイデアが構想された。実現に向けて踏み切ることができたのは、今年初めのユーザーによる質問の中で、数百万件にも及ぶアクセシビリティに関する問い合わせがあったことがきっかけで、確信をもってこの機能の開発に取り組むことができたという。

Googleの使命は「世界中の情報を整理して普遍的なアクセスと有用性を高めることである」ことだが、それに加えアカサカ氏は「車椅子の利用者やその他のアクセシビリティを必要とする人々もその恩恵を受けられているという確信を得たい」と述べており、その思いがこの新たな機能を生み出したのだ。

ひとりの従業員の「人々の役に立ちたい」という思いが原動力となり、そこから新たなビジネスやサービスが生まれる。このようなポジティブな循環の繰り返しによって、グーグルは私たちの社会をさらに豊かで便利な場所にしてきた。

今回の変更もほとんどの人にとっては小さな変化かもしれないが、車椅子の利用者にとっては世界が広がる大きな変化となる。インターネットの力を使って世界をよりよい方向に変えていく、素晴らしいアイデアの好事例だ。

【参照記事】Google Local Guides
【参照記事】A group of Google employees spent their ‘20% time’ making Google Maps wheelchair-friendly