砂糖の過剰摂取を防ぐために作られた、「音の甘味料」

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糖分は、人間の生活になくてはならないエネルギー源だ。しかし、最近では世界中で糖分の過剰摂取が問題になっている。糖分の過剰摂取は肥満や老化を進行させるだけではなく、糖尿病をはじめとする生活習慣病を引き起こし、人々の健康を損ね、多くの命を奪っているのだ。

WHOによると、世界では成人の3人の1人が肥満で、約4.2億人が糖尿病を患っており、毎年150万人が糖尿病を直接の原因として命を落としているという。

特にこの問題が深刻なのが中国だ。急速な経済成長とともに食生活やライフスタイルが一変している中国では、なんと成人の11%以上にあたる約1.1億人もの人々が糖尿病を患っているというデータもある。

この糖分の過剰摂取がもたらす健康への悪影響を広く認知してもらうべく、中国の上海ではユニークなキャンペーンプロジェクトが進行している。

オックスフォード大学の研究者らと北京電通が上海にあるカフェ、XIN CAFÉとのコラボレーションにより開発したのが、砂糖の過剰な摂取を予防するための「Sonic Sweetener(音の甘味料)」というサウンドトラックだ。

このサウンドトラック、特別なメロディーが脳を刺激することで人々はより甘味に集中することができるようになり、サウンドを聞きながら飲み物を飲むと飲み物が実際よりも甘く感じられ、砂糖の過剰摂取の予防に効果的だという。

また、北京電通らはサウンドトラックの開発と同時に「Sonic Sweetener」を聞きながら飲み物を飲めるスピーカー付きタンブラー、「Sonic Sweetener Cup」も開発した。現在は試験段階のため販売はされていないが、XIN CAFÉにて提供されている。

北京電通によると、同キャンペーンの結果、XIN CAFÉで「Sonic Sweetener」を試した消費者の63%が飲み物を実際よりも甘いと感じ、68%が砂糖の過剰摂取についての意識が向上したとのことだ。

お菓子やスイーツ、清涼飲料水など、我々の身の回りに当たり前のように存在している砂糖。人は砂糖を摂取するとドーパミンが分泌され、幸福感を得ることができる。だからこそ、ついつい甘い食べ物に手が伸びてしまうのだ。

砂糖を摂取することで幸せな気分を得ることができるのだから、これを意志の力だけで我慢するのはなかなか難しい。しかし、過剰摂取が長期的には大きく健康を蝕むことを考えると、人々が受け入れやすい解決策が必要だ。

その意味で、ストレスや我慢を感じずに、音を聞くだけで過剰摂取を控えることができる「音の甘味料」という発想は、人々の葛藤をクリアするグッドアイデアだ。

また、この斬新な商品を開発することで、プロモーションと消費者の健康意識向上というCSRの2つを掛け合わせている点もユニークだ。

砂糖の摂り過ぎが気になる方は、実際にどこまでの効果があるものか、ぜひジュースを飲みながら上記の動画を再生して試してみてはいかがだろうか?

【参照サイト】Taste the Sweetness with “Ears”