カイロの駅に流れるラジオ。学びのきっかけに。

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駅で電車がやってくるまでの待ち時間は、退屈な時間のひとつだ。新聞を開いたりスマホを眺めたりしてやり過ごす人も多いと思うが、その時間をもっと有意義なものにしてくれる、ユニークな取り組みがエジプトで始まっている。

エジプトの首都、カイロにある地下鉄の駅では、Kemet Radioがエジプトのアート、映画、食事、ドラマや経済に関する教育ラジオを流す取り組みを始めた。

サービスの開始は去年の10月。ラジオは毎朝7時に始まり、18時間ラジオが流れ続ける。それぞれのプログラムの長さは6分程度と、次の列車が来るまでの平均的な待ち時間を考慮して作られている。

毎日約500万人がカイロの地下鉄を利用する。駅は情報を拡散するプラットホームとして非常にふさわしい場所なのだ。

このサービスの目的は、多様なバッググラウンドを持つ電車の乗客が、国の歴史や文化に対する理解を深めることだ。性・宗教・政治といった争いのもとになるような内容は流さず、どのようなバックグラウンドを持つ人にとってもふさわしいラジオになっている。またラジオでは地下鉄を利用する際のマナーについても流している。

鉄道利用者の反応は様々だ。短時間で有用な情報を得ることができると高く評価する利用者もいるが、騒音の一部になっているだけだと言う人もいる。

現在放送は地下鉄の駅だけにとどまるが、ゆくゆくは電車の中でも放送したいとKemet Radioの代表Meshalは語る。技術的な問題でサービスを提供できない地下鉄もあり、鉄道会社も課題の解決に取り組んでいるという。

サービスの導入に鉄道会社が積極的に取り組むのには理由がある。エジプト政府が近々地下鉄利用料金を引き上げる案を出しており、それに伴って利用者が減る可能性もある。鉄道会社としてもラジオを使った宣伝で広告収入を得ることができれば心強いだろう。

お馴染みのフレーズを聞き流していることが多い駅構内アナウンス。そのアナウンスを教育のメディアに変えてしまおうというこの取り組み、人々の退屈な待ち時間を学びの時間に変える、グッドアイデアだ。

【参照サイト】Cairo subway radio offers educational programmes to commuters