テクノロジーは難民を救う。通訳者と繋がるアプリ「Tarjimly」

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難民を取り巻く状況は混乱している。ドナルド・トランプ米大統領が難民の入国を制限する方針を定め、それに反対する声が数多く上がっている。

そういう状況の中、「トランプは移民・難民を拒否するが、私たちはテクノロジーの力で立ち上がることができる」というメッセージとともにFacebookで発信されたアプリがある。それが難民と通訳者を繋げるアプリ「Tarjimly」だ。

このアプリは、移動先で医者、援助者、法律家やその他必要なサービスの提供者と連絡を取りたい難民のために、ボランティアの登録者がリアルタイムで通訳をするというものだ。

通訳者は世界中から登録可能で、すでに1,400人以上が登録している。アプリはまだ試用期間中で今のところアラブ語でのみ使用可能だが、パシュト語、ファーシ語、ウルドゥ語やその他言語でも使えるようになる予定だ。

難民を対象とした通訳サービスはこれが初めてではないが、Tarjimlyは特に使いやすさに力を入れて開発されている。通訳が必要な難民はメッセージを発信して言語を選択するだけでよい。そうすればTarjimlyがすぐに適切な通訳者と彼らを繋げる。

ボランティアの通訳者ではあるが、Tarjimlyは通訳のクオリティも妥協しない。アプリは通訳者の出来不出来を自動的にはじき出し、より精度の高い通訳者をランク付けする。将来的にはフィードバックシステムの構築や、品質管理を目的とした通話モニタリングの導入も検討している。

Tarjimlyはなるべく質の高いサービスを提供するため、始めは慎重にサービスを展開していくという。まず通訳者のデータベースを構築後、試験的にサービスを開始し難民からフィードバックをもらう。上手くいけばサービスをより拡大する方針だ。

UNHCRの2015 年の統計によると、世界には2130万人の難民が存在する。それだけ助けを必要とする人は多い。政治的な判断とはまた別に、個々人が力を活かし行動を起こすことが求められている。

【参照サイト】Tarjimly

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