自転車に乗った分だけ割引。お財布、健康、環境の全てに優しいアプリ「Radbonus」

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環境問題が叫ばれる昨今、自動車の排ガス規制は年々強化され、電気自動車の開発競争は過熱する一方だ。また、排ガス問題の解決策としてカーシェアリングや公共交通の利用促進といった様々な取り組みも進められている。

英国ロンドンでも渋滞税と銘打って都心への車乗り入れが有料化されて久しいが、環境対策が進むドイツでは、ゲーミフィケーションの手法を用いて人にも環境にも優しい自転車の利用を促すアプリ「Rad Bonus」が登場した。

Radbonusは、ユーザーが自転車に乗れば乗るほど、スポンサーとなっている店舗の割引クーポンがもらえるというアプリだ。自転車に乗って移動した距離に応じてポイントが貯まる仕組みとなっており、例えば50km走ったら5%割引、100km走ったら10%割引が得られるというシステムになっている。

割引の対象となる店舗はRadbonusに参加することで環境へ貢献できるだけではなく新たな集客効果も期待でき、現在ザ・ボディショップなど約15のブランドが採用している。オーガニック志向のユーザー向け商品を取り扱うザ・ボディショップにとって、このクーポンは健康意識の高いターゲット層を呼び寄せる最高のツールとなりそうだ。

同アプリは既に1万以上ダウンロードされており、ロゴのデザインも自転車と文字を掛け合わせたユニークなもので携帯に入っているだけでもうれしい。

ドイツには8100万人の人口に対して約7200万台の自転車があり、ほとんどの人が自転車を持っているという計算だ。ドイツでは自転車の交通量が2%増加するだけで毎年2億3600万トンのCO2が削減されるという。CO2削減は大事なことだと分かっていても目には見えないのであまりピンとこないが、日ごろの買い物が割引になるというのは、メリットが誰にでもすごく分かりやすい。

また、車のかわりに自転車に乗ることの経済的メリットは、割引だけではない。サイクリングにはもちろん燃費もかからないし、自転車のメンテナンスは自動車より20倍も安いのだ。おまけに排気ガスもなく環境に優しいとなれば、まさにいいこと尽くめだ。これにより、車を家に置いて出かけることを促すのがRadbonusの創業者、ノラ・グラッツィーニの狙いだ。

運動やサイクリングが好きと言う人には願ってもないシステムだが、逆に運動は苦手な人でもポイントというニンジンをぶら下げて運動不足を解消するまたとないチャンスとなる。

WHOによると1日4.5kmサイクリングするだけでも心臓発作のリスクが50%も減少するという。サイクリングは、リラックス効果もあり多くのストレスホルモンを低下させ、精神的に安定し幸福感が増す傾向があるのだとか。

日本でも様々なポイントシステムが流行し、フィンテックの隆盛も相まって、ポイント戦争の様相を呈している。ポイントシステムを開発する上でまず考えるのが、どれだけ人々に魅力的なものか、ということ。それは洋の東西を問わず同じだ。環境や体にいいことを実践することでポイントが貯まるという発想は、やはりスポーツやエコロジーの先進国、ドイツならではのアイデアといえる。人も企業も地球も幸せになる「三方良し」のエコシステムだ。

【参考サイト】Rad Bonus
【参照記事】Deutsche Welle