ドバイでもうすぐ実用化される、空飛ぶドローンタクシー

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砂漠の摩天楼ことドバイは、アブダビとともに元々は素朴な遊牧生活を送っていたアラブ首長国連邦(UAE)の飛躍的な成長をけん引して来た。発展の源泉となってきた原油の枯渇を見越して脱石油政策を急ぎ、数々の先進的な取り組みを推進していることで知られる。イスラム教圏のなかでは比較的開放的なマインドも手伝い、諸外国との交流も盛んで、高度な都市と砂漠のロマンスに惹きつけられ、多くの観光客も訪れる。そんなドバイで、またしても人々を驚かす計画が明らかになった。

それは何かというと、世界初となるドローン・タクシーの実用化だ。アマゾンなどIT企業らがこぞって研究し、流通手段として実用化も近づきつつあるドローンだが、技術の進歩とは裏腹に法規制の整備などがネックとなり、ドローン輸送の実現には時間を要する。人々は皆そう思っていた。

ドバイは、そんなドローンをめぐる現状を頭越しにスキップして、なんと「空飛ぶ無人タクシー」として、今夏には一気にドローンによる人の移動を実用化させようというのだ。現在既にテスト飛行が行われている中国製自律飛行ドローンEHang 184は、ワンクリックで離陸し自動運転を開始し、着陸まで乗客は何もする必要がない。ドローンのためもちろんパイロットは乗っておらず、飛行途中でも緊急時には自動で安全な場所を探し、着陸することも可能だ。

(※写真:EHang Partners with Dubai RTA to Boost Smart Transportより引用)

最大重量は100kg、電気を動力に使い充電1回で50km飛行が可能だ。最高高度は3.5km。最高速度は時速160kmだから、信号や渋滞に引っ掛かる路上のタクシーとは全く比較にならないスピードだ。安全、スマート、スピーディーで環境にも優しい。当面は、主に時間に追われるビジネスマンが利用することを想定している。

ドバイの行政は同地域での個人移動の25%を2030年までに様々な自動運転の交通手段に変えることを目的としたドバイ自動運転輸送戦略を掲げている。公共交通との統合も高め、革新的で円滑な移動で人々が幸せに暮らせる街づくりを目指している。

日本は資源に乏しい国だけに、勤勉さで、経済発展を実現させた。一方のUAEは、資源が豊富で、なおかつ斬新なアイデアを次々に実行に移し、現在の繁栄に至っている。鬼に金棒と言ったところだ。アイデアの源は砂漠という何もない土地なので、逆になんでもありという風土も奏功してのことだろう。

日本人は努力するのは得意だが、奇抜なことが社会的に敬遠され、皆が同じことに心地よさを覚える国民性のため、発想と行動力に乏しいところがあるかもしれない。タクシーと言えば、日本でも2020年東京オリンピック・パラリンピックへ向け、助成金も投下して先進性をアピールできる介護福祉タクシーの普及を進めているが、今回は完全にドバイに一本とられたと言わざるを得ない。

【参照リリース】EHang Partners with Dubai RTA to Boost Smart Transport
【参照サイト】EHang 184