ドイツ発、スマホをかざすだけで成分や有害物質が見抜けるアプリ

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「安全な商品を購入したい。」それは国を問わず全ての消費者にとっての願いだ。

サプライチェーンのグローバル化が進み、生産者と消費者の距離が遠くなりつつある現代では、品質に厳しい日本はもとより、中国や欧米においても食の安全性に対する要求は高まっている。しかし正直なところ、購入の際に表示されているマークや記述を信用するほかに、その商品の安全性を確かめる方法は今のところないのが現状だ。

例えばオーガニックと表示された野菜を購入するときでも、もしかしたらその野菜は店頭へ並べる際に誤って紛れ込んでしまった普通の野菜かもしれないし、農薬を使用しているにも関わらずオーガニックと称して販売している食品かもしれない。

また、食品でなくとも、事故車でない中古車を購入したいときや害となる物質の有無を確認したい場合に、「この商品は本当に信頼できるのだろうか?」という気持ちがふと沸き起こる。

そのような不安やリスクを回避し、消費者が安心して商品を購入することができる画期的なアプリが、ドイツに在るフラウンホーファー研究所によって現在開発されている。

開発中のアプリ「HawkSpex®mobile」は、スマートフォンで食品や商品をスキャンするだけで、残留農薬や塗料などの物に付着する成分や有害物質を発見することができるというものだ。

(※写真:App reveals constituentsより引用)

同研究所のセイファート教授はこのアプリの仕組みについて、「スマートフォンカメラは広帯域の3チャンネルセンサーを採用しているため、すべての波長をスキャンし、異なる色の光で被写体を照らしている。つまり、カメラが異なる色の光度を測定しているのではなく、一連の異なる色のオブジェクトを秒単位で表示しているということになる。したがって、ディスプレイが物体上に赤色光だけを投射する場合、物体はその赤色光のみを反射することができ、カメラもまた赤色光のみを測定することができるのだ。」と語る。このカメラの性質と解析アルゴリズムの組み合わせにより、物体の成分を見ることが可能になるのだという。

このアプリの最大の特徴は、プリズムなどの別途購入が必要なく、既存のスマーフォンに付属するカメラのみで商品の安全性が確認できるという点にある。

なお、アプリ完成後はウィキペディアのようにユーザーが新たな情報を順次追加することが可能となり、研究所が見極め測定したのち、アプリをさらにリリースするという仕組みも構築されている。

また、このアプリは消費者だけではなく生産者も活用可能だ。食品の品質管理や化粧品の有効性、または農業など、まだ高精度スキャナの恩恵を十分に受けていない分野の開発にも使用できるのだ。例えば、農業であれば穀物に栄養素が十分に供給されているかの確認や、追加肥料が必要かについてなどを知ることができる。

現在は最初の実験版が完成しており、2017年末には正式に「HawkSpex®mobile」が発表される予定だ。

消費者だけではなく、生産者にとっても食や商品に対する信頼性、評価の向上など多くの利点をもたらしてくれる「HawkSpex®mobile」は、今後さまざまな業界で活躍してくれるに違いない。本格的なリリースがいまから待ち遠しい。

【参照リリース】App reveals constituents