人間の代わりにモノが決済。IBMとVisaが描くIoTの未来

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最近、金融の世界で最も注目されている領域、それがFintech(フィンテック)だ。「フィンテック」とは「ファイナンス」と「テクノロジー」を掛け合わせた言葉で、新たなサービスや需要が生まれる分野として今後の大きな可能性が注目されている。しかし、それが具体的にどのようなものか、想像のつく人はどのくらいいるだろうか。

このほど、IBMとVisaが提携し、モノが相互に通信しあい、自動で決済をするサービスを開発していることが分かった。従来は店頭でもオンラインでも支払いの手続きをするのは人だったが、このサービスの構想では、人間が決済手続きを行わなくても、インターネットで接続した「モノ」同士が自動で支払いを済ませてくれる。インターネットにより、オンラインで物が買えるようになったEコマースも世の中に大きなインパクトを与えたが、コマースは更なる次元に向かっている。

AI(人工知能)のWatson(ワトソン)で知られるIBMは、IoTプラットフォームと認識技術に秀でている。一方のVisaにはTokenサービスという安全な決済のノウハウがあり、世界で30億人の消費者に利用されている。この両者が手を組むことで、インターネットに接続されている腕時計、家電、車などあらゆるモノが人の手を介さず自分自身で決済することが可能となる。2020年までに200億個ものモノに決済システムを導入する予定だという。

Eコマースの便利さは、買い物するのにお店に行かなくても済むというものだった。このサービスでは、買い物するのに決済をしなくて済む。正確には、自動でロボット同士が決済してくれるレベルに到達するのだ。

現在の実世界と少しかけ離れた話で、いまいちピンと来ないという方のために、具体例を挙げてみよう。2021年までに3億8千万台の車がインターネットに接続されると予想されている。ガソリンスタンドで燃料を補給する際、車と燃料ポンプが通信しあい、自動で支払いを済ませる。手元に現金やカードが必要なく、支払いの列に並ぶ手間も省けるのだ。

ありとあらゆるものがインターネットにつながるIoT(Internet of Things:モノのインターネット)は、私たちを取り囲む世界を大きく変えると言われている。モノをインターネットに接続することで人間が遠隔からでもそれらを操作や管理することができるようになるだけではなく、いずれはモノ同士が決済などのトランサクションを自動で済ませるようになれば、買い物をはじめとして私たちの生活の仕方そのものは一変するだろう。SF映画で観るようなロボット同士が互いにコミュニケーションをとりながら暮らす未来の世界への第一歩は、もうすぐそこまで来ている。

【参照サイト】IBM and Visa Turn Automobiles, Appliances and All Other Connected Devices into Potential Points of Sale with Watson Internet of Things