世界初、空飛ぶ商用バイク「Scorpion-3」

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各国の都市では、急激な人口増加や渋滞による大気汚染などの問題解決に向けて、より持続可能でスマートな交通インフラの構築に向けた研究があらゆる角度から進められている。IDEAS FOR GOODでは、先日もドバイでもうすぐ実用化予定のドローンタクシーをご紹介したばかりだ。

未来の新たな交通手段の一つとして、ロシアのスタートアップ企業Hoversurfが開発に取り組んでいるのが、バイク型の電動クアッドコプターだ。既にテスト飛行にまでこぎ着けており、その映像も公開され、初の商用「ホバーバイク」として注目を集めている。同社は購入予約の受付も開始している。

まずはエクストリームスポーツ向けの製品として発売し、将来的には通常のバイクのように、日常的な移動の手段として展開することを目指している。

誰でも飛べるようになることを目標にして設計された有人のクアッドコプターはScorpion-3と命名された。電動で飛ぶドローン技術を基に、4つのプロペラの中央にバイク用のシートを設置。マニュアルとオートマの運転モードがあり、プロアマ問わず幅の広い飛行方法が可能だ。体重制限は120kgで最高時速は50km。大相撲の力士が利用するには、もう少し技術革新が必要なようだ。安全確保のため、フライト制御プログラムにより、スピードと飛行高度は制限されている。

安全面に関しては、障害物のない空を飛ぶ飛行機やヘリコプターは、地上を行き来する車やバイクに比べて圧倒的に事故の発生率が低いと言われている。しかし、そこには徹底的に管理された安全対策がある。空中という不安定な場所だけに、ひとたび事故になると大参事になることが多く、誰もがバイクに乗るような感覚で空を飛ぶようになったら、飛行物の数が増え、衝突の可能性も高まる。いったいどのように安全を確保するのか。

道路が舗装された二次元という限られたスペースなのに対し、空という舗装の必要がない三次元の広いスペースは、考え方によって渋滞を緩和するには非常に魅力的な道かもしれない。車が通れないような僻地の人々にも移動の自由が保証され、地域格差の是正にもなる。ただ、この標識もセンターラインも何もない無秩序なスペースにどのようにして秩序をもたらすのか。現在、自動車業界でも研究されているような自動で衝突を回避するような安全制御プログラムを搭載し、マシン同士が自動で互いに譲り合って行き来するというイメージだろうか。

スポーツとしては、今すぐにでも楽しめそうだが、一般の移動手段としては、法整備も含めて、課題は多くありそうだ。交通手段のイノベーションはあらゆる角度から求められており、その観点からは、議論を喚起するにはちょうどいい商品だ。

【参照サイト】Hoversurf