ホームレスの自立を支援する寄付アプリ「StreetChange」

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国連によると、世界でおよそ1億人がホームレスとして生活しているという。これは日本の総人口とあまり変わらない数字だ。またスラム街など、不十分な住居で暮らす人々は、なんと16億人にものぼる。世界一の人口を擁する中国に、アメリカの人口を足した数とほぼ同じだ。実に地球上の4人に1人が、劣悪な環境で日々、寝起きをしていることになる。

アメリカのホームレスの数は約56万人。世界一の経済大国にも経済格差や社会的構造等の問題から、ホームレスの撲滅はできていない。ペンシルベニア大学のリサーチャー、アンドリュー・シーゲルとダン・トレグリアは、地元ペンシルバニアのメンタルヘルス協会(Mental Health Association of Southeastern Pennsylvania)と共同で、フィラデルフィアのホームレスの人々とケースワーカーを繋げて、アプリを通じて寄付が受け取れる仕組みを構築した。

開発されたアプリ「StreetChange」には、フィラデルフィアの路上で暮らすホームレスの人たちから聞いた将来に役に立つ物資のウィッシュリストが掲載され、一般からの寄付を募る。金額が到達するとホームレスの持つブルートゥースに接続されたビーコンに連絡が行き、取りに来るという流れだ。彼らが自立できる道を探り、より確固たる足場作りをして、街から不運なホームレスを1人でも多く減らすことを目指している。

フィラデルフィアのホームレスの男性は「寝ても覚めても腹ペコ。ホームレスは楽じゃない。腹がへって、汚らしかったら仕事も探せない」とその苦境を語る。

このプログラムに参加するにあたり、ホームレスはアンケートに答え、担当のケースワーカーがつく。これにより長期的なホームレスの克服と、そこにたどりつくまでの道筋を一緒に描いていく。その際に10~15の短期的に必要な物資も聞き取る。

具体的な物資のリストを掲載することで、寄付をする側のドナーもお金の使い道についてのイメージを持ちやすくなる。iOSとAndroidのスマホアプリで、1米ドルから寄付が行える。手続きがとても簡単なのもメリットだ。

StreetChangeは、単にテクノロジーを活用して場しのぎ的に必要なものを供給するだけではなく、スタッフがホームレスに寄り添い、長期的な目標を達成するために模索する、ITと人間がコンビを組んだ温かみのある取り組みだ。フィラデルフィアのストリートの様子は今後、どう変わっていくだろうか。

【参照サイト】StreetChange