ジェンダー格差をなくす。発言する女性を応援するアプリ「Woman Interrupted」

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「マントラプション」という言葉をご存知だろうか。いわゆる俗語だが、この言葉自体を聞いたことがなくても、それを見たことはこれまでに何度もあるはずだ。政治討論の場で、ニュースで、授賞式やスピーチの場で。女性が発言をしている際に、男性がその話を遮って話し出すことをMan+interruption=Manterruption (マントラプション)と呼ぶ。これは日本だけではなく世界各国のあらゆる場で日常的に見られる行為である。

近年の調査では、男性が女性の話を中断する確率は、他の男性の話を中断するよりも23%多いという結果が出ており、この現象は「ジェンダーの不均衡の現れ」とも解釈されている。昨年の米国大統領選挙のディベートでも、ドナルド・トランプ氏がヒラリー・クリントン氏に対して初回討論の間に51回ものマントラプションを行ったとして話題になったことは記憶に新しい。

ブラジルに拠点を置く代理店BETCサンパウロは、この「女性の発言を男性がしばしば遮る」という行為に着目し、「Woman Interrupted」というアプリを開発した。このアプリは、ジェンダーをめぐる格差や偏見の存在を認識してもらい、マントラプションに関する議論を広げていくことを目的とするものだ。

Woman Interruptedは、携帯電話のマイク機能を利用して男女の音声周波数を認識。男女間で行われる会話を分析し、女性の話を遮る回数を検出してくれる。また、会話のどのポイントで中断が発生したかなどの詳細をグラフで表示し、アプリ内に実際の会話が記録されることなく話しの中断回数、期間、日付のみが記録される仕組みとなっている。現在は、ポルトガル語・英語・スペイン語・フランス語の4言語で使用が可能だ。


同社は「マントラプションは一見、小さな問題に見えるかもしれないが、職場や社会におけるジェンダーの不平等という深刻な問題を反映している。」と語っており、ユーザーにはこの問題を広げるため、記録したデータを公開し共有するよう促している。今後は世界中で収集されたデータの概要をリアルタイムで表示するGlobal Dashboardの立ち上げも予定しているとのことだ。

IDEAS FOR GOODでは先日も職場におけるジェンダーバイアスをグラフ化するアプリ「Gender EQ」を紹介したが、ジェンダーによる偏見やマントラプションによる行為は、無意識の側面が大きく影響しているのも事実であり、これらの問題の解決に即効性は求められない。まずは現状をしっかりと認識してもらい、多くの人に周知させることが改善への大きな一歩となる。

テクノロジーの発達で、女性の権利の促進や社会での立ち位置を守るための訴えがより気軽にそしてダイレクトにできるようになった。この新感覚アプリ「Woman Interrupted」が日本でも活用できる日が訪れたら、日本社会における女性の存在感がこれまでよりも増していくきっかけになるかもしれない。

【参照サイト】Woman Interrupted

(※写真提供:Woman Interruptedより)