自転車通勤をもっと快適に。オランダ発、赤信号のタイミングを事前に教えてくれるマシン

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環境先進国として知られるオランダは、自転車大国としても有名で、その保有台数は世界一を誇る。排気ガスを排出せず環境に優しい自転車は、今やオランダ人にとって欠かせない移動手段の一つとして日々の生活に溶け込んでいる。

そのオランダで、人々の自転車利用をさらに促すための新しい取り組みが始まった。先日もIDEAS FOR GOODでは自転車の走行距離に応じて企業が従業員に報酬を与えるというオランダ発のアプリ「ByCycling」を取り上げたばかりだが、今回ご紹介するのは、サイクリストの人々の通勤ストレスを軽減する目的で作られた、ユニークなシステムだ。

道端に設置された「Flo」と呼ばれる縦長のマシンがそれだ。このFloは、自転車で通勤する人々の走行をスムーズにするため、彼らが赤信号に捕まらないよう、事前に適した走行速度を知らせてくれるというシステムだ。

信号機の100メートル前に設置されたFlo内にはスピードカメラが組み込まれており、そのカメラを利用して「自転車がどのスピードで走行すれば次の赤信号に引っかからずに済むか」を可愛らしい動物のイラスト表記で知らせてくれる。

動物のイラストがウサギであればスピードアップ、グッドサインの親指であれはスピードをキープ、亀であればスピードダウン、牛が表示されればストップ(赤信号に当たる)といった具合だ。

このサイクリングシステムFloを設計したのは、オランダ・ユトレヒトに拠点を置くスプリングラボである。同社は持続可能なイノベーションを創出し、日々の生活の中に運動を取り戻すことをミッションとして掲げ、これまでにも様々なプロジェクトを立ち上げてきた。Floの狙いは、人々が抱える自転車通勤のストレスを減らし、より快適なものに変化することだ。

世界中で気候変動に対する懸念が高まるなか、昨今では温室効果ガス排出や大気汚染に歯止めをかける政策の一つとして多くの都市において自転車の利用が推進されている。しかし、市民に対して便利で楽に移動できる自動車ではなく、あえて自転車に乗って移動をすることを奨励するためには、自転車ユーザーの視点を第一に考えた道路の設計やインフラの整備が不可欠だ。

Floのシステムは、赤信号で足止めをくらうフラストレーションという、自転車ユーザーが抱える小さな「負」を解決するとてもユニークな取り組みだと言える。自転車中心の都市を作るためにはこうした一つ一つの小さな工夫とインフラの設計がとても重要なことであることをオランダの事例は教えてくれる。

【参照サイト】Spring lab “flo”
【参照サイト】flo