北欧流のリサイクル。使用済み電池を入れるとクーポンがもらえる自動回収機

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スマホやタブレットなど電子機器のおかげで現代の生活はとても便利になった一方で、それに比例するように深刻化している問題がある。それが電子廃棄物の問題だ。国連によると、世界中で2015年には推計4,000万トン以上もの電子ごみが廃棄されており、その量は2018年には5,000万トンに達するという。

電子廃棄物には多くの金属性の有害物質が含まれており、深刻な環境汚染の一因となっているが、実はその大部分がリサイクル可能で、資源に乏しい日本では都市鉱山と表現し注目されている。その電子ごみの身近なものとしては、乾電池がある。

電池をゴミ箱に投棄することが環境に悪いことはよく知られているにもかかわらず、多くの人が各所に設置されるバッテリーリサイクルバンクを使用するのではなく、手っ取り早い廃棄をしているのが実情だ。

そこでノルウェーのCoop Norway社とスウェーデンのRefind社は、試験的プロジェクトとして、人々に使用済み電池をリサイクルするよう促す新たな自動回収機をリリースした。バッテリー業界大手のEnergiserから資金提供を受け、スウェーデンのRefindによって開発されたCoop Norwayの新しい取り組みは、ユーザーに金銭的インセンティブを与えるように設計されている。

4月22日の「地球の日」に合わせて発売された自動回収機は、使用済み電池を投下するとその電池をスキャンして読み取り、クーポンを発行する。自販機にお金を入れてジュースを買う仕組みの逆だ。このマシンはサイズセンサーで主な一般向け電池(AA、AAA、C、D、9V)を認識する。ノルウェーの首都、オスロの店舗に試験的に設置されたマシンでは、1つの電池につき1ノルウェークローネ(約14円)の値段がつけられており、新しい電池を購入するためのクーポンが発行される。クーポンの金額や種類をプログラムすることも可能だ。

このマシンは、日本にもある空き瓶や空き缶の回収機と同じ発想だ。シンプルだが環境にも優しくユーザーに経済的インセンティブを与えることでリサイクルへの参加を促している。「ノルウェー人はリサイクルが得意だが、まだまだできることはある」と、Coop NorwayのマネージャーGeir Inge Stokkeは語る。「意識は動機づけの要素としてはよいが、金銭的リワードのインセンティブはさらに重要な可能性がある」

オスロでの実験がうまくいけば、ノルウェー全土に規模を拡大する計画にも弾みがつく。電子廃棄物は成長著しい電子業界が抱える負の側面だ。急成長産業のため問題の拡大も急速で、スピード感を持った対応策が求められる。

日本では「家電リサイクル法」が成立して以来家電のリサイクルが進んでおり、2013年には「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律」が施行された。タブレットやスマホはサイズが小さいこともあり、リサイクルの意識付けは難しいが、塵も積もれば山となる。この電池自動回収機のような地道なリサイクルプログラムが、実は非常に重要だ。

【参照リリース】The world’s first reverse vending machine for batteries is launched in Norway
【参照サイト】THE BATTERY REFUND MACHINE