コーヒー豆の皮から生まれたカップ。コーヒー愛が支えるサステナビリティ

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世界のコーヒー消費量は増え続けている。自宅にコーヒーメーカーを備え、食後にコーヒーを楽しむ文化は、もはや欧米だけのものではなくなった。しかし、コーヒーの製造過程で毎年135万トン以上が廃棄されているコーヒー豆の皮について語れる人はどのぐらいいるだろうか。

コーヒー豆を覆う皮の層のうち、「内果皮」と呼ばれる部分は現状、脱穀の過程で取り除かれ、ほぼ使われるあてもなく捨てられているという。その皮に目をつけて、よりサステナブルなコーヒー文化を浸透させるべく、新たな挑戦を始めているスタートアップがオーストラリアにある。彼らが開発しているのは、捨てられるはずだった内果皮を利用して作るコーヒーカップ「HuskeeCup」だ。

コーヒー豆の皮でできたカップ

Image via HuskeeCup

ゴミになるはずだった素材は一転、開発チームの手によって保温性に優れ、コーヒーをより長時間、温かいまま保つ美しいカップとなった。コーヒーの皮には弾性があり、HuskeeCupは高い耐久性を備える。カフェなどで長期にわたって繰り返し使用することもできる。

カップの側面一帯の細かな凹凸により、手に触れる部分は熱い飲み物を注いだときも熱くなりすぎない。本体を直接手で持つことができるため、持ち手のないスタッキングしやすい形状が実現した。底面に施された溝は、食器洗浄機で洗浄した後の水切れを良くする役割を担う。

HuskeeCupの製品化を試みるのは、コーヒー産業の様々な分野(豆の栽培、輸出、焙煎など)に関わってきたプロフェッショナルを含むチームだ。クラウドファンディングサイトの「Kickstarter」や「INDIEGOGO」を通じて資金を集めており、それぞれのコミュニティで約1,000万の資金を調達している。2017年12月から2018年1月には支援者に完成品を出荷することを目指す。

紹介用の動画を再生すれば、こっくりとしたHuskeeCupに注がれるコーヒーが、画面を通してその香りまで運んでくるかのようだ。カップのシンプルかつ機能的なデザインは、一杯のコーヒーを最高の状態で提供するためのこだわりを感じさせる。コーヒーを愛するチームがコーヒーを提供し続けるために作ったカップは、コーヒー愛飲家たちの熱い支持を得ている。

【参照サイト】HuskeeCup
【参照サイト】Kickstarter “HuskeeCup: Waste Made Beautiful”
【参照サイト】INDIEGOGO “HuskeeCup: Waste Made Beautiful.”
【参照サイト】World coffee consumption
(※画像:HuskeeCupより引用)

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