室外機に取りつけるだけ。霧の力でエアコンの消費電力を削減する「Mistbox」

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夏になるとどの家庭にも欠かせないのがエアコンだ。連日30度を超える地域に暮らしていれば、エアコンなしで生活するなど考えられないという人も多いだろう。しかし、私たちが涼しさを求めて電力を使えば使うほど、より多くのエネルギーが必要となり、化石燃料の使用などを通じて結果として気候変動を引き起こしているというのは何とも皮肉な話だ。

そのエアコンが消費する電力を少しでも減らし、エネルギー利用を効率化することで環境にも人々のお財布にも優しい仕組みを実現しようとしているIoTデバイスがある。それが、アメリカ、ヒューストン発の「Mistbox」だ。

Mistboxが目をつけたのは、エアコンの室外機だ。通常エアコンは室内機と室外機で構成されており、エアコンを作動させているのは室外機となる。我々が普段から目にする室内機はあくまでも空気を冷却するための「中継地点」に過ぎず、実際にはエアコンの主役は室外機と言ってもよい。

室外機は、あまりに熱を持ちすぎると空冷エンジンと同じように冷却効率が悪くなってしまうという課題がある。そのため、室外機を冷やし続ける仕組みがあれば、理論上は冷却効率を改善することができる。そこで発明されたのがMistboxというデバイスなのだ。

Mistboxは室外機に取り付けるためのデバイスで、室外機に霧を吹き付けることで気化熱を発生させる。霧から発生する水分は蒸発する際に熱を必要とする。そのため、その周囲の温度は自然と冷えてくるという仕組みだ。

さらに、この霧の力でエアコンの性能を上げるMistboxは、それ自体が個別の外部電力供給を必要とせず、室外機から出る風で自己発電を行うという優れものだ。

開発元によると、アメリカ南部の州でMistboxを導入した場合は約20~25%の効率化を実現させるとのことで、カリフォルニア州からニューメキシコ州にかけての地域では30%超の効率化に成功しているという。

また、このMistboxはインターネットに接続されたIoTデバイスでもある。オンライン環境下で作動することを前提にしており、そのデータは家主のスマートフォンに逐次送信されるため、家主はアプリからリアルタイムで消費電力状況を確認することができる。

IoT技術を活用した省エネエアコンと言えば、人感センサーを通じて風量や風向きを調整するエアコンなどが主流だが、Mistboxは室内機ではなく室外機に目をつけ、さらに霧の気化熱を利用してエネルギー効率を上げるという点がユニークだ。

今後もMistboxのように環境問題解決の一助となるIoTデバイスが数多く登場することを期待したいところだ。

【参照サイト】Mistbox
【参照サイト】Mistbox: Energy-saving device proven to cut AC bills by 30%

(※画像:Mistbox: Energy-saving device proven to cut AC bills by 30%より)