子どもたちに大気汚染度を教えてくれるかわいいガジェット「都市のカナリア」

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都市部に住んでいると、自動車の排気ガスや霞んだ景色を見て大気汚染を実感することがないだろうか。特に身体が小さな子どもの健康にとって汚れた空気は有害だ。世界保健機関も、免疫機能や肺がまだ完全に発達していない状態で大気汚染物質にさらされることは大きな環境リスクの一つになると警告を発している。

そんな都市部の大気汚染の問題から子どもたちを守るべく、ニューヨークに拠点を置くリサーチ・デザインスタジオのOFFCは、とてもユニークな製品を開発した。「The Urban Canaries(都市のカナリア)」と名付けられたこの小さなガジェットは、子ども向けに大気汚染の計測結果のデータを視覚化するだけではなく、将来的に都市内部で大気汚染を避けるための親子間の会話を促進することを目的として作られた。

一昔前、炭鉱作業員はトンネル工事に行く際、感受性が強く有毒ガスにいち早く気づいて騒ぎ立て、人間に危険を知らせてくれるカナリアを連れて行く慣習があった。この慣習からインスピレーションを受けたUrban Canariesは、小さく持ち運び可能な汚染センサーの役目を果たし、感知する汚染度合いによってそれ自体の健康状態が変化するという仕組みになっている。

この可愛らしい姿をしたカナリアは、子どもたちと一心同体だ。もし高い汚染度にさらされ始めるとカナリアは心配や不安を抱え始め、お腹にあるLEDライトの色が変わり振動し、子ども達に近くの空気が汚染されていることを警告する。

非常に汚染濃度が高い場合は親にも警告を知らせる。そして、高レベルの汚染に長時間さらされ続けると、カナリアは病気になり始め、ライトの色がしだいに変わる。ライトの色が緑なら安全、黄色だと平均、赤だと良くない健康レベルを示している。汚染されていない空気のもとに行けば、カナリアはすぐに復活し、元の明るい緑色に戻る。

病気リスクがあるほど高レベルの汚染を感知した場合は親のスマホを使って汚染の原因調査や回復の方法を見つけたり、最近さらされた汚染地域を列挙することで、どこでいつ汚染されたのかを記録したりする機能もある。これにより、親子が一緒に最近の汚染について話し合うことができるほか、「あの地域は避けましょう」と言った有益なアドバイスももらえる。

さらに、ユーザー同士で測定結果を共有することで、汚染から子どもとその大切な友達であるカナリアを守るための包括的な汚染マップも作成される。このマップを見れば、どこで、そして1日のうちのどの時間帯でカナリアが病気になったり回復するのか一目でわかるため、この賢いカナリアを共にした子どもたちは汚染地域を避けたり新鮮な空気を安心して吸える場所を見つけることができる。他にも、子どもの年齢や一般的な健康、都市環境での避けられない低レベルの汚染によって、汚染への感度を設定で調整できる。

無機質なデータ数値で汚染を知らせるだけでなく、家庭での環境教育を自然に促す楽しくて感情に訴える製品だ。子ども達とカナリアを守るために、今私たちができることは何かを考えさせられる。

【参照サイト】The Urban Canaries
【参照サイト】OFFC “The Urban Canaries”

(※写真:The Urban Canaries Download HiRes Picturesより)