歩くだけで発電し、デジタル通貨でショッピング。ロンドンに誕生したスマート路地

Browse By

2017年6月下旬、英国ロンドンのウエスト・エンドにあるバードストリートが、最新のスマートテクノロジーによって環境にも地域にも優しい魅力的な路地へと生まれ変わり、世界中から注目を集めている。

現在、地域コミュニティの活性化と持続可能なエネルギー確保は多くの都市が抱える重要課題だ。そんななか、新たに生まれ変わったロンドンのバードストリートは、最先端の技術とアイデアが都市の人々の生活に潤いをもたらしている、とてもいい事例だ。

イギリスの会社PAVEGENは世界で初めて、人が道を歩くときに地面に生じる荷重を電力エネルギーへと変換する装置をバードストリートの10㎡の舗装に埋め込んだ。この装置により、人々がストリートを横切るたびに発電し、そのエネルギーが日中は鳥のさえずりに、夜間は木々を照らすイルミネーションへと変わる仕組みが導入された。「歩行」という人が生まれながらにして持っている移動手段で生じるエネルギーを電力に変換するという斬新なアイデアだ。

また、バードストリートには最新技術を用いて大気中の窒素酸化物を除去し、空気を浄化してくれるベンチも置かれており、発電する舗装とあわせてサステナブルな都市の未来の形を提示している。これまで忘れ去られていた変哲もない街角の路地が、魅力的で健康的なオアシスに生まれ変わったのだ。

そして、注目すべきもう一つのポイントは街の活性化だ。多くのチェーン店が世界中で幅広く事業を展開しているなか、地元の小売店をどのように魅力的にして競争力を高めるかということは多くの都市にとっての課題だが、バードストリートはこの課題解決にも貢献している。

バードストリートでは人々の通行により生じたエネルギー量をデータ化しており、通行人は舗装と連動したアプリを通じて自分が発電したエネルギーをデジタル通貨に交換し、商品券として使用したりチャリティーに寄付したりできるようになっている。

発電できる舗装とアプリを連動させてデジタル通貨を利用できるようにすることで、地域のファッションやライフスタイルブランドを支援しているのだ。ストリートの横に立ち並ぶ緑色の建物がデジタル通貨を利用できる小売店舗となっており、食品やビンテージ物の衣服が並べられている。また、この一風変わった建物は「折り紙」にインスピレーションを受けたデザイン会社Harry Dobbs Design が作ったものだ。

バードストリートを訪れた人々はサステナブルな最新技術を五感で感じながらショッピングをし、沿道のレストランで食事を楽しむことができる。街の活性化とエネルギー確保という世界中の街が抱える課題に新しい風をもたらしてくれそうなロンドンのスマート路地を、ぜひ一度訪れてみてはいかがだろうか。

【参照リリース】A global first for London – the world’s first ‘Smart Street’ opens on Bird Street, in the heart of the West End, showcasing the future sustainable retail environment of the high street.

【参照サイト】PAVEGEN

(※写真:PAVEGENより引用)