オリーブオイル製造時の廃水から作る、環境に優しいバイオ燃料

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太古の昔から世界中で愛されているオリーブオイル。色も香りも味も素敵で、パスタやパエリヤなどの地中海料理やサラダなどには欠かせない。しかし、オリーブオイルの製造過程では、大量の廃水が発生するという問題がある。

オリーブオイルは通常以下のような過程で作られる。まず、オリーブをつぶして水と混ぜる。その後、抽出されたオリーブオイルは混合物と分けられ、汚水と固形カスは廃棄される。この工程で生じる廃水は、世界のオリーブオイル生産の97%を占める地中海地方では毎年80億ガロンにのぼり、近隣のエコシステムに多大なダメージを与えている。廃水は水路を詰まらせ、飲料水汚染と生態系に影響を与える恐れがあり、土壌の肥沃度を低下させ、収穫高も減少させるのだ。

この問題についてはこれまで研究が重ねられてきたが、今回、アメリカ化学協会ACS Sustainable Chemistry & Engineeringにおいて、この廃水をバイオ肥料・燃料、そして安全な農業用水に変える環境に優しいプロセスが開発されたことが発表された。

今回発表されたプロセスは以下の通りだ。

地中海地方で多く排出される産業ゴミでもあるスギのおが屑の中に、オリーブオイル製造工場の廃水を入れる。これを素早く乾燥させて、灌漑用水として使用可能な安全な蒸発水を集める。

次に、廃水とおが屑の混合物を集めて、酸素に触れないように高温で乾燥させる。これにより、混合物は酸化せずに可燃性ガスと木炭に分解される。分解された可燃性ガスは凝縮させて、バイオ燃料にする。このバイオ燃料は、オリーブオイル製造工場廃水とおが屑を乾燥させるときにも利用できるという。

最後に、木炭を集める。この木炭にはニトロゲンなどの栄養物が含まれ、バイオ肥料として使用できる。今回、この木炭を肥料として使用を開始して5週間後に、この炭を肥料として使わない植物よりも葉も大きく、よく成長していることが研究者により確認された。

世界中で愛されるオリーブ。今回発表された「オリーブオイル製造で生じる廃水をバイオ肥料・燃料に変える」という研究は、近隣のエコシステムと地球環境にいい影響を与えていくだろう。この研究のこれからに期待したい。

【参照リリース】Olive mill wastewater transformed: From pollutant to bio-fertilizer, biofuel