バブソン大学が創り出す、IoTとソーシャルグッドの交差点。「IoT for Good Lab」を設立

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近年、テクノロジーの世界でよく聞かれるキーワードの一つに「IoT (Internet of Things:モノのインターネット)」という言葉がある。インターネットは人々の生活に劇的な変化をもたらしたが、今、そのインターネットが車や家電、住宅といったありとあらゆる「モノ」につながろうとしており、さらには「モノ」同士の通信も可能となることで、あらゆる産業を横断して大きな社会的革新が起ころうとしているのだ。

Gartnerの調査によると、インターネットに接続される「モノ」の数は2017年、前年の63億8000万台から31%増加して84億台に達し、2020年までにその数は204億台まで増えるという。今やインターネットに接続された「モノ」の数は世界人口よりも多いのだ。

このように新たなIoT時代が幕を開けようとしているなか、起業家教育で名高い米国のバブソン大学のLewis Instituteと米電気通信大手のベライゾンは、IoTを通じて社会をよくすることを目指して、Olin College of Engineering、IoT Impact Labs、MassChallenge、Continuumらと共同で、10月11日に「IoT For Good Lab」を設立した。

ベライゾンが後援するIoT For Good Labは、起業家、エンジニア、デザイナー、アーティスト、学生らによる学際的なチームを組織し、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)についてのアイデアやソリューションを実験する。ラボ内のメンバーはIoT、統合思考、人間中心設計、イノベーション・エンジニアリングなどを用いて社会的価値の創出に取り組む。ベライゾンは3年間のイニシアチブの一環としてIoTソーシャルベンチャーの創出に向けたコース費用の負担やシードの資金調達支援などを行う。

「IoTは、次世代の技術革命として期待されており、世界で最も困難な課題に対する新たな起業チャンス、ビジネスモデル、ソリューションを生み出すだろう。トップクラスの起業家育成機関であるバブソンは、あらゆるタイプの起業家がテクノロジー、ビジネス、デザインの知識を統合して社会に好影響をもたらすソリューションを増幅し加速させるための準備が整っている」とバブソンのIoT For Good Labの教授を務めるJennifer Bailey氏は語る。

10月11日、バブソンはボストンにあるキャンパスでHUBweek特別イベントを開催し、IoTを活用してインクルーシブでスマートな都市を育成するというアイデアをデモンストレーションし、出席者にIoTテクノロジーの体験を提供した。起業家志望の学生らにテクノロジー、デザイン、ソーシャルイノベーションの各分野で活躍するリーダーの話を直接聞ける機会を提供し、起業家とIoTスタートアップの包括的なコミュニティを作り出すのが目的だ。

バブソンの取り組みとしてプログラム内容と同様に興味深いのは、教育機関、行政、民間企業、そして人々がそれぞれの枠組みを超えた組織を作り出し、深く関わり合いながら「ソーシャルインパクト」を創出するという目標のもとで大きなうねりを作り出していることだ。

また、起業家育成において世界的に高い評価を得ているバブソンが「IoT for Good」というテクノロジーとソーシャルグッドを掛け合わせたプログラムを用意する点にも大きな時代の流れを感じる。新たに設立されたIoT For Good Labからどのような新しいアイデアが生まれ、イノベーションが起こるのか。今後の成果がとても楽しみだ。

【参照サイト】Babson College Launches IoT For Good Lab: Where Technology, Entrepreneurship, Design, And Social Impact Meet
【参照サイト】IoT For Good Lab