ミシュランが描く、持続可能なモビリティの未来。3Dプリンターで作るタイヤ「VISION」

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ボタンのようにも、タイルのようにも見え、建築家ガウディの作品にも見える、この綺麗で不思議なもの。これは、タイヤである。

フランスのタイヤメーカー大手のミシュランは2017年6月、新しいコンセプトのタイヤ「VISION」を発表した。VISIONはリサイクル材と3Dプリンターで製造する、環境に優しいエアレスタイヤだ。ミシュランといえば毎年レストランの星の数で話題になるレストラン・ホテルガイド「ミシュランガイド」の発行で有名だが、世界最大級のタイヤ会社でもある。

現在、世界では持続可能の実現に向けてあらゆる分野で研究開発が進められているが、電気自動車の開発はその最たるものだ。今回のミシュランのVISIONも、環境に優しい未来のモビリティを目的として開発された。

VISIONプロジェクトは2016年秋に始まった。プロジェクトの目的は、未来のモビリティを象徴するシンボルを形作ることにある。VISION開発にあたり、ミシュランは90人にアンケートを実施した。アンケートの回答者は街中のドライバー、レーシングドライバー、農業従事者、航空会社パイロット、工場内の品物運搬者、やっと自転車に乗れるようになった子供など多岐にわたる。

このアンケートから見えてきたユーザーのニーズは、安全性、天候への対応、ブレーキ性能、そして環境への配慮だ。これらのニーズに答えるべく、VISIONは4つの特徴を打ち出した。リサイクル素材の使用、3Dプリンティング、エアレス、センサー接続である。

VISIONは究極のオーガニックタイヤだ。バイオ原料からできたリサイクル素材を用いて作られており、VISION自体も最終的にはリサイクルできる。これにより、環境フットプリントを最小限にすることに成功した。

また、VISIONは世界初の補充可能なタイヤでもある。 3Dプリンターを使い、天気などの状況に応じて必要な補充のみを行うことで耐久年数を伸ばした。通常のタイヤ交換と比較してゴミが減り、コストも削減される。さらに、タイヤのトレッドデザインを改良して刻みを浅くすることでタイヤを薄くし、材料の効率改善を可能にした。タイヤのトレッドデザインは、運転者の目的地と快適性・安全性・持続性に対応させている。

そして、エアレス。このタイヤの超耐久性は、ハチの巣の構造にインスピレーションを受けて生まれた。ハチの巣の構造はハニカム構造と呼ばれ、軽量で強度があり断熱効果もあるため、飛行機などにも利用されている。VISIONも車体の重さに耐えられるようこのハニカム構造を採用し、快適性と安全を担保している。

VISIONはセンサーで車内と繋げて、天気予報などの情報をリアルタイムで提供し、天候に合ったタイヤのトレッドデザインを提案してくれる。あとは、その提案に従ってトレッドデザインを修正するのみだ。また、ミシュランの移動アプリで目的地の変更も可能だ。

明るい未来のモビリティを目標に、自然界からインスピレーションを受け、自然の原料を使い、最新技術との融合で生まれたVISION。見た目もとても印象的で魅力的だ。VISIONを装着した車に乗ることを想像しただけで何だかワクワクしてくる。VISIONのこれからが楽しみだ。

【参照リリース】Vision, the Michelin Concept Tire, an Expression of Mobility for the Future

(※写真:michelinより引用)