包装ゼロ。レジ袋なし。必要な分だけ買える、サステナブルな食品流通システム「MIWA」

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大量生産・大量消費の時代になってから常に問題視されてきたもの。それはゴミの大量廃棄だ。例えば、私たちがスーパーで食品を購入すれば、包装パッケージや買い物袋はもちろん、食べきれなかった食材まで全てがゴミになる。こうした大量廃棄の問題に立ち向かうべく、これまでにも多くのアイデアが生まれてきた。リサイクル可能な素材を利用したパッケージの開発などはその一例だ。

しかし、改めて大量廃棄の問題を考えてみると他のアプローチも見えてくる。それはそもそも問題の根底にある「廃棄」自体を抑制するという方法だ。環境への先進的な取り組みで世界をリードする欧州では、この消費に伴う廃棄を極限まで減らすイノベーティブな取り組みが始まっている。

チェコのArancia Europaが新たに開発したのは、食品の流通から販売にいたるまで包装パッケージを一切使わない、全く新しいシステム「MIWA」だ。食品は全て再利用可能なカプセルに入れて配送され、カプセルは小売店舗の専用モジュールに設置される。

顧客はアプリとバーコードを使って欲しい商品と量をモジュールのディスプレイで選び、持参した瓶などに入れて持ち帰る(MIWAは再利用可能な容器も提供している)。つまり、店頭では一切パッケージが使われないのがこのシステムの魅力なのだ。

MIWAのシステムがあれば、顧客は自宅で食品パッケージを廃棄する必要もないし、食品も必要な分だけ買えるため、食べきれないまま消費期限を迎えて廃棄してしまうリスクも減らすことができる。MIWAのおかげで家庭から出るごみの量は大きく減るだろう。

また、「商品を買うときにはパッケージに書かれている原産地や原材料などの情報を見たい」という方でも安心だ。モジュールの画面にはそれら全ての情報が表示されるからだ。

この革新的なアイデアは、Circular Design Challengeで600ものライバルとの戦いに勝利し、20万ドルの賞金と12ヶ月間のアクセラレータプログラムを受けることが決まった。これらの支援を元に、現在は世界展開に向けて準備が進められている。

MIWAの創設者であるPetr Báča氏は「このシステムを通して無駄の多い包装を減らし、生産者・卸売業者・小売業者・消費者の習慣を変えたい」と語る。今後はより多くの消費財に対してMIWAシステムを導入し、「パッケージ・ゼロ」の実現を目指す。

ゴミの廃棄問題には多様なアプローチの仕方があるが、その中でもMIWAシステムに注目するべき一番の理由は、生産者から消費者に届くまでの全てのプロセスにおいてパッケージを使わないという徹底された美学にある。

一昔前には反発の多かったレジ袋有料化もいまではすっかり日本で受け入れられている。洗練されたデザインとクリアな美学に基づくMIWAシステムであれば、必ず日本でも広まることだろう。マイボトルを持ってスーパーに行く日が楽しみだ。

【参照サイト】MIWA

(※写真提供:MIWA