LGBTQIAの人が自ら定義した、ジェンダー用語集「Gender Nation Glossary」

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性別適合手術を受けて戸籍も男性から女性になった能町みね子が、テレビで「オネエタレント」と紹介されたことに対して「私はオネエではありません」と抗議したことがある。「オネエ」という定義が曖昧な芸能用語ではあるにせよ、その言葉が一般的にどういう脈絡で用いられているかの観察が甘かったことが引き起こした抗議と言える。

このように、定義がはっきりしないままジェンダーの用語だけが独り歩きしているケースはよくある。芸能用語との区別がついていなかったり、性自認と性的指向の区別がついていなかったり。人のセクシャリティについては特段知りたくないという意見もある意味ではもっともだが、本人たちにとっては重大ごとなのだ。「私のことを理解してほしい」、この想いはいつだって万人共通だ。

そんな想いが詰まっているのが、デジタルメディアを運営するRefinery29が作成した「Gender Nation Glossary」というジェンダーに関する用語集だ。このサイトに出ている用語は「ジェンダーは、それを生きる人によって定義されるべき」という考えのもと、それぞれの用語に該当すると自覚する人の手によって定義が書かれているのが特徴だ。例えばドラァグ クィーンなら「私はドラァグ クィーンだ」と思っている人が説明を書く。

他者からの一方的なカテゴライズに違和感を覚えることは、ジェンダーに限らずともよくあることだ。ちょっとしたズレなら指摘せずに受け流すのも社会性なのだろう。しかし、何か引っかかる、そんな行き場のない思いが、クラウドソーシング方式で作成されるGender Nation Glossaryのなかで解放される。LGBTQIAの人たちの主体的な声は、ジェンダーの多様性に関する世間の細やかな理解を促進するはずだ。

この用語集は非常に充実しており、こんなにたくさん把握できないと眩暈がするほどなのだが、ふと疑問に思ったことを調べるだけでも新しい発見があって楽しい。紹介されているジェンダー用語のうち、あなたはいくつの言葉を知っているだろうか。興味を持った方はぜひ覗いてみてほしい。

【参照サイト】Gender Nation Glossary