アメリカの気候変動否定に抗議するクラフトビール「Make Earth Great Again」が誕生

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気候変動の影響を、普段の生活の中で感じることはどれほどあるだろうか。おそらくほとんどの人は、意識すらしていないかもしれない。自分の日常生活がおびかされるようなことがないかぎり、そういった問題には関心が薄れてしまうのが人の性である。

今年の6月には、世界各国の気候変動への対策を取り決めるパリ協定について、トランプ大統領率いるアメリカ合衆国が「経済的なデメリットが大きいから」と離脱を発表したことが記憶に新しい。世界第2位の温室効果ガス排出国のアメリカの離脱は、世界に大きなショックを与えた。

そんなトランプ大統領の決定に、ユニークな方法で抗議した会社がある。スコットランド発のブルワリーBrewDogである。BrewDogは、今年11月に気候変動に反対するセゾンビール「Make Earth Great Again」の販売を開始した。

商品名は言わずもがな、トランプ大統領の選挙スローガン”Make America Great Again”のパロディーだ。ラベルにはトランプ大統領と、絶滅の危機にあるホッキョクグマが対峙したイラストが描かれている。

セゾンビールは、通常よりも高い温度で醸造されたビールだ。まるで、上がっていく気温をそれとなく伝えているようである。ほかにも「Make Earth Great Again」で使われている材料は、北極の氷が溶けた水や、気候変動によって数が減っているクラウドベリーなど、温暖化の影響をダイレクトに受けている地域からとれたものばかりだ。

さらに、スコットランドを中心に展開しているBrewDogの店舗では等身大のホッキョクグマのレプリカからビールが注がれるなど、気候変動に対する危機感をあおっている。

なぜこのようなビールの製造を決めたのか。BrewDogの創立者であるジェームズ・ワット(James Watt)氏は、「Make Earth Great Again」の発案についてこう語っている。

「わたしたちの住む地球の気候変動に対して、世界をひっぱっていくべきリーダーが無関心ではいけないと思いました。気候変動に対してアクションをしている団体を支援するため、そしてビールを愛する一般の人々の意識を高め、声を届けていくためにこのビールを作りました。ビールは万国共通の言語ですから。」

Beer and brewer(写真右:ジェームズ・ワット氏)

「Make Earh Great Again」の収益は、すべて温暖化防止に取り組んでいるチャリティー10:10に寄付される予定だ。

気候変動は世界的な問題であり、人々の生活にも少しずつ確実に変化をもたらしている。それは今のところ小さすぎて、気が付かないかもしれない。しかし、問題が目に見えるようになってからでは遅いのだ。

「Make Earth Great Again」は、絶大な力を持つ国家にも、そしてわたしたちにも気候変動に目をそむけてはいられないということを教えてくれている。

【参照ページ】BrewDog launches climate change protest beer