サステナブルという新しい贅沢。排ガスゼロ、ゴミゼロ、貧困ゼロのエコリゾート

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フランスの建築事務所Vincent Callebaut Architecturesが、フィリピンに総敷地面積27,000平方メートルの排ガスゼロ、ゴミゼロ、貧困ゼロのエコリゾートNAUTILUS ECO-RESORTを計画、提案した。敷地内にホテル、美術館、科学研究センター、小学校、体育館、プールなどの施設を備えるという。

フィリピンは美しい海岸と湾をもつ7000以上の島々からなる国で、海洋生物の世界的宝庫だ。しかし現在は、過剰漁獲、大勢の観光客、プラスチックゴミ汚染などにより、この自然が脅威にさらされている。

この問題に対し、海洋自然を保護し、地元住民を洪水や台風などの災害から守り、人と環境が共存できる観光を目的としてVincent Callebaut Architecturesが提案したのがNAUTILUS ECO-RESORTだ。Vincent Callebaut Architecturesは、観光業は世界の重要産業で、サステナブルな開発への貢献において大きな可能性を秘めていると考える。

NAUTILUS ECO-RESORTで使用される材料は、島で再利用された、またはリサイクルされたものだ。全ての建築素材は植物系バイオマスからできたバイオ製品で、微小藻類とアマニ油は有機タイル製造に使用され、エコの森林木材は木製床などに使用される。雨水も使用し、排水はリサイクルする。有機ゴミはバイオマスにリサイクルするという徹底ぶりだ。
地元の人が計画開発および運営にかかわっていくのもこのプロジェクトの特徴だ。プロジェクトの財源をクラウドファンディングから生み出し、仕事や収入という形で地元の経済発展を直接サポートしていく。

エネルギーも自給自足だ。リゾート東側に位置する観光客用のアパート12棟は、潮のエネルギーだけでなく海洋熱エネルギーを生み出す伸縮自在のくいの上に立っている。これにより、光電池セルと共にリゾート全体に十分なエネルギーを提供できるという。この建物は太陽の動きと共に1日1回転し、屋上には水を温めるための太陽チューブと光電池の棚格子が設置される。

リゾート西側のカタツムリの形をした12棟の建物は、リサイクルコンクリートでできており、小さい美術館とホテルが入っている。

そして、リゾートの中央にあるのが、折り紙山(Origami mountain)だ。傾斜構造が折り紙のように360度積み重なっている。この建物は耐熱性や断熱性に優れ、工期も短いという特性を持つクロス・ラミネート・ティンバー構造で作られ、内部には科学研究センター、レクリエーションエリア、プール、小学校、地元の若者用の体育館がある。

Vincent Callebaut Architecturesが計画した、排ガスゼロ、ゴミゼロ、貧困ゼロのNAUTILUS ECO-RESORTは、現在の地域と世界が抱える問題を解決する糸口になるだろう。NAUTILUS ECO-RESORTが実際に建設され、世界の観光産業がよりよいものになるのが本当に楽しみだ。

【参照サイト】Vincent Callebaut Architectures

(※写真・情報提供:Vincent Callebaut Architectures