【コラム】貧困をなくせるか。ケニアで始まった、史上最大規模のベーシックインカム実験

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ベーシックインカムは世界の貧困問題を解決する手段になるのではないかと見られている。発展途上国に対する国際的な支援は様々なかたちで行われているが、政府が取り仕切っているその仕組みは難解で、支援しようと思った相手に支援が届いていないことがある。世界には極度の貧困状態にいる人が7億人いて、全体で80億ドルあればこの貧困を回避できると見られているが、毎年その2倍近い額が支援に回っているにも関わらず貧困に喘ぐ人が大勢いるという状況は不思議だ。

ベーシックインカムであれば、必要とする人に最低限のお金が直接渡るため、貧困問題を解決する実践的なアプローチになるのではないか。とはいえベーシックインカムについてはまだまだ分からない点も多い。世界的に注目を集めているアイデアではあり、今までもいくつか調査は行われてきたが、広範囲で行われていなかったり、調査が短期間だったりしたため、データが十分に揃っているとは言えない。

その状況を見て立ち上がったのが、ケニア、ウガンダといったアフリカ諸国で活動する慈善団体のGiveDirectlyだ。GiveDirectlyは先月、歴史上最大規模となるベーシックインカムの実験をケニアで開始したと発表した。この実験は最長12年にも及び、合計で16,000人以上の人を対象にしている。

実験の対象となる人々は4グループに分けられ、一つ目のグループは毎月22.5ドルを12年間受け取り、二つ目のグループは毎月22.5ドルを2年間だけ受け取り、三つ目のグループは2年分の金額を一括で受け取り、最後のグループは何も受け取らない。こうして支給の条件に変化をつけながら、お金を受け取った人がそれぞれどういう行動を起こすのか、総合的なデータを集めることを狙いとしている。

支払いシステムの発展により、世界にいる貧しい人々に直接お金を送るコストは劇的に下がってきている。GiveDirectlyの実験は、今まで行われてきたトップダウン型の支援のあり方を見直すきっかけになるかもしれない。

【参照サイト】GiveDirectly
【参照サイト】The largest basic income experiment in history just launched in Kenya