環境都市フライブルクが提案する、1ユーロデポジットのコーヒーカップ

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ドイツは今、クリスマスマーケットの真最中だ。クリスマスマーケットに欠かせないのがグリューワインだが、グリューワインは陶器のカップで提供される。年ごとに、都市ごとに違うデザインのカップで、デポジット代は3ユーロ程度。このカップをお目当てに、異なる街々のクリスマスマーケットを訪れる人も多い。カップを返却するとデポジット代の3ユーロが返ってくる仕組みで、余計なゴミは生まれず、クリスマスマーケットのシンボルでもある。

クリスマスマーケットのグリューワインカップ@Ryoko Krueger

一方、コーヒーを飲む際にはドイツでは1時間に30万個の使い捨て紙カップが使用されているという。使い捨て紙コーヒーカップはリサイクルされないため、原料とエネルギーの大きな損失となっており、多くの都市で使い捨て紙コーヒーカップはゴミ問題になっている。そのため現在、世界ではこの使い捨て紙コーヒーカップの削減や再利用に向けて、多くの企業や自治体が様々な試みを行っている。ドイツのフライブルク市もその1つだ。ドイツ南西部に位置するフライブルク市は、環境保護に力を入れており都市環境保護の受賞歴も多いため、各国からの視察団が訪れる世界的環境都市だ。

フライブルク市は使い捨て紙コーヒーカップの削減に向けて3つの問いに答えを出すべく、2016年11月に1ユーロデポジットコーヒーカップのシステム、フライブルクカップ(FreiburgCup)を開始した。3つの問いは以下である。「使い捨て紙コーヒーカップではなく、環境に優しいカップを使えないか?」「コンセプトに賛同してくれるカフェが市内にどの位あるか?」「コーヒー愛好者は、デポジットシステムにどの位関心を持っているか?」

FreiburgCupは、使い捨て紙コーヒーカップの代わりに1ユーロのデポジットでコーヒーカップを市内のカフェやパン屋で購入するシステムだ。使用したカップは提携店で返却すると、洗浄されて再び使用される。提携店には専用シールが貼られ、FreiburgCupのサイトでも確認できる。

@ FreiburgCup

使用するカップはリサイクル可能なポリプロピレン製で、南ドイツで生産される。食洗器でも洗浄でき、400回洗える耐久性を持つ。カップのフタは衛生面と経済面を考慮し、使い捨てのプラスチック製だ。デポジットのコーヒーカップ返却時にプラスチック製のフタは回収されて再利用されているが、更なるゴミ削減のため、今後はフタを提供しないことも検討されている。このキャンペーンはFreiburgCupと市役所、および株式会社であるゴミ経営・都市清掃フライブルク(Abfallwirtschaft und Stadtreinigung Freiburg GmbH)が共同運営している。

昨年、16の提携店で始まったこのキャンペーンは1年経った現在、提携店はフライブルク中心部や近郊の町の106店舗にのぼり、26,000個のカップが生産された。フライブルクは大学都市でもあり、大学や大学病院および専門学校などで、このシステムが特によく利用されているという。また、観光客にも人気があり、デポジットカップの15%は土産物として持ち帰られているという懸念すべき点もあるが、Treehuggerによると、フライブルク市環境課のGerda Stuchlik氏はこの状況について、「ゴミ削減の考えが、FreiburgCupで世界中に広がっていくと期待している。」と語っている。

フライブルク市が導入したデポジットコーヒーカップのシステムは、ドイツ初の試みであるため、国内で大きな反響があった。フライブルク市はこの1年間のキャンペーンを成功と考えており、ミュンヘン市やハイルブロン市などの多くの街がこのモデルを参考にしている。

1人1人が毎日飲むコーヒーカップについて考え、環境に優しいコップを使用していくことは、小さなことかもしれない。しかし、これを皆で、街全体で、国全体で、多くの国で実行していけば、大きな効果が生まれるだろう。FreiburgCupのこれからに期待すると共に、私たちも自分で行動を起こしていきたい。

【参照サイト】FreiburgCup
【参照サイト】Treehugger