【まとめ】地球のどこで生まれても安心できる世界へ。難民を救うアイデア10選

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国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、2016 年末時点で自国から移動を強いられた難民の数は6560万人で、前年比よりも30万人増加し、過去最高を記録した。

話はまったく異なるが、2016年頃からよく聞かれるようになった、ブロックチェーンやシェアリングエコノミー、デザイン思考といった言葉。これらが、難民問題にも役に立っていると聞いてピンとくるだろうか。

IDEAS FOR GOODでは、これらの切り口から難民問題を解決するアイデアを多数ご紹介してきた。ここでは、2017年に取り上げたものをまとめてみよう。

ブロックチェーンで難民の経済面を支援

01.難民のためのブロックチェーンを活用したプリペイドマスターカード

難民のためのブロックチェーンを活用したプリペイドマスターカード

フィンランドのスタートアップ企業「MONI」は、銀行口座を作れないことで経済的自由が奪われている難民のために、ブロックチェーン技術を活用したプリペイドマスターカードを発行している。ドイツ企業「Taqanu」も同様のサービスの実現を目指す。

テクノロジーの力で難民問題を解決

02.難民と通訳者を繋げるアプリ

テクノロジーは難民を救う。通訳者と繋がるアプリ「Tarjimly」

「Tarjimly」というアプリは、移動先で医者、援助者、法律家やその他必要なサービスの提供者と連絡を取りたい難民が、ボランティアの登録者にリアルタイムで通訳をしてもらえるサービスを展開する。使いやすさや、通訳のクオリティにもこだわっている点が注目だ。

03.難民少女のリアルなスマホ画面を擬似体験できるアプリ

難民少女のリアルなスマホ画面を擬似体験できるアプリ「Finding Home」

人々のスマホをジャックして、難民として生きる架空の少女のスマホ画面に変換することで、難民の日常を臨場感を持って追体験できるアプリ「Finding Home」。アプリを通して、彼らへの理解と共感を生み出す。

04.Googleがシリア難民問題の疑問に答えるウェブサイト開設

GoogleとUNHCRがシリア難民危機の疑問に答える「Searching for Syria」

Googleと国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が立ち上げたウェブサイト「Searching for Syria(シリアを探して)」は、Googleの検索エンジンのシリアに関する最も多かった5つの質問とその回答を、写真、ビデオとともにまとめている。署名や寄付といったアクションを取ることもできる。

シェアすることで、さらに豊かな世界を創る

05.難民と地元コミュニティをつなぐ「友好的な家」

自宅の庭で国際貢献、難民と地元コミュニティをつなぐ「友好的な家」

デンマークの建築会社VenligBoligは、地方自治体や個人と協力し、難民と地元の人が一緒に住める住宅を運営しはじめた。自宅の庭に難民用のおしゃれなプレハブ住宅を設置し、相互コミュニケーションを促進する。

06.コワーキングスペースのWeWork、今後5年で1,500人の難民を雇用

コワーキングスペースのWeWork、今後5年で1,500人の難民を雇用へ

米国発のコワーキングスペースプロバイダーWeWork(ウィーワーク)が、今後5年間で1,500人の難民を雇用する計画を発表。「豊かな人生を送るために働ける世界を創造する」というミッションのもと、コミュニティへのアクセスを難民へも広げている。

環境だけでない。難民問題にも貢献するエコ技術

07.リサイクル素材で作る、サステナブルな難民シェルター

リサイクルされた廃プラスチックでつくる、サステナブルな難民シェルター

難民の安全を確保でき、環境面でも持続可能なシェルターの開発プロジェクトが、イギリスで進められている。この分野で世界最大規模の研究で、難民キャンプにおける生活の質向上と環境負荷という2つの大きな問題を同時に解決するお手本になろう。

08.ヨルダンの難民キャンプで世界最大の太陽光発電が稼働へ

8万人のシリア難民に光を。ヨルダンの難民キャンプで世界最大の太陽光発電が稼働へ

ドイツ政府が多額の投資を行い、世界最大規模の太陽光発電システムがヨルダンの難民キャンプで稼働を始めた。二酸化炭素だけでなく、電気代の節約にもなるこのようなプロジェクトが増えることを期待したい。

見た目だけではない、心の込もったデザイン

09.難民を支援するための、クールな「着られる」テント

難民を支援するために作られた、クールな「着られる」テント

寒さをしのぐ機能的でおしゃれなジャケットが、組み立てると宿泊可能なテントに変身する。難民が直面するであろう困難な状況下でも着用できるよう設計されている。

10.難民の子供たちへの、おもちゃになる救援物資の段ボール

難民の子供たちに喜びを。おもちゃになる救援物資段ボール

オランダのデザイナーが、救援物資を入れる段ボール箱自体を子供達のおもちゃやゲームに変える‘Inside the Box’を提案した。子供達の心の支えであるおもちゃのスペースがないといった制約から考え出された、優しく素敵なアイデアだ。

まとめ

これらの事例は、国際機関や国、NGO団体による従来の支援の形ではなく、自由な発想があれば、民間企業や個人が難民問題に貢献できることを示している。日本で難民の人に出会う機会は少ないだろう。しかし、彼らと私たちの唯一の違いは、どのタイミングでどこで生まれたかだけだ。地球市民として、困っている人がいたらお互い様に助け合うという精神を体現したアイデアたちである。

他方、そもそも難民が発生しないようにするためにはどうしたらいいのかも考えなければならない。

それは、一言で言ってしまえば、みんなが安心して暮らせる平和な世界を築くことだ。では、国連や政治家がアクションを起こすのを待っていればいいのか。そうではない。小さく聞こえるかもしれないが、宗教や人種、政治的思想の違いを超えて、一人ひとりを理解しようとする思いやりの気持ちが、この根本的な問題解決には欠かせないことを忘れないでもらいたい。