【まとめ】人も環境も大切にする。ソーシャルグッドな建築デザインのアイデア10選

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世の中には、人が暮らす家や働くためのオフィス、泊まるためのホテルからスポーツをするスタジアムにいたるまで、様々な建築物がある。建物の形やタイプは用途によって異なるが、全てに共通しているのは、利用者のことを第一にして作られたという点だ。

しかし、最近では建物の利用者だけではなく、広く社会や環境にも好影響を及ぼすようにと設計された建築物が数多くある。完成後の建築デザインだけではなく、建設時の原材料や建設プロセス、完成後の施設運用にいたるまで、環境や人に十分に配慮されたソーシャルグッドな建築デザインが増えてきているのだ。

今回は、IDEAS FOR GOODが2017年に取り上げた記事の中から、そんな社会をよくする素敵な建築デザインを実現している10のアイデアをご紹介したい。

01. 中国で建設が進む「渡り鳥のための空港」

生態系を取り戻す。中国で建設が進む「渡り鳥のための空港」

中国、天津の港湾で建設が進んでいるのは、人間のためではなく「渡り鳥のための空港」だ。都市化に伴う生態系の破壊を抑制し、渡り鳥の生息地を増やそうと、長時間空を飛んで疲れた渡り鳥がゆっくり羽を休められる湿地区域を作っている。

02. 都市を丸ごと森にした「Forest City」

都市を丸ごと森にする。大気汚染に悩む中国が考えたForest City

大気汚染が深刻化している中国では、なんと都市を丸ごと森にしてしまおうという大胆なプロジェクト「Forest City」が進んでいる。緑に覆われた高層ビル群の姿は圧巻だ。このForest Cityはまず広西チワン族自治区の南に位置する柳州市に導入され、2020年に完成予定となっている。

03. 3Dプリンターで作る自給自足のスマートホーム「PassivDom」

3Dプリント技術でつくられた自給自足のスマートホーム「PassivDom」

ウクライナのスタートアップが開発したのは、3Dプリンターで作るエネルギー自給型のモバイルホーム「PassivDom」だ。このPassivDomは屋根に設置されたソーラーパネルが生活に必要なエネルギーの全てを賄い、思い立ったその日から好きな場所で暮らすことができる。

04. 乾燥地域のイランで生まれた雨を集める凹状屋根

乾燥地域の強い味方。イランのデザイン会社が考えた、雨を集める凹状屋根

国土の大半が乾燥地帯となっているイランでは、従来の三角形型の屋根を逆三角にし、雨水を集めることができる屋根が考案された。屋根に貯められた水は建物全体を冷やす仕組みとなっている。

05. タンカーを再利用した商業施設「THE BLACK GOLD」

タンカーを再利用。THE BLACK GOLDが象徴する石油産業の変遷

気候変動への対応が求められる中、最近では石油のような化石燃料ではなく環境に優しい再生可能エネルギーが次世代エネルギーの中心となりつつある。そんな時代の流れを象徴するかのように、ペルシャ湾南部では、役目を終えた石油タンカーを複合型のエンターテインメント施設へと生まれ変わらせるプロジェクトが進んでいる。

06. 自転車暮らしのためのアパートホテル「Ohboy Hotel」

スウェーデンに誕生した、自転車で暮らす人のためのアパートホテル「Ohboy Hotel」

スウェーデンの首都ストックホルムからほど近いマルム市の街に誕生したのは、駐車場がない一風変わったユニークなアパートメントホテルだ。この建物は自転車で暮らす人のために最適化されており、建築素材も全て国内から調達されている。環境に優しいライフスタイルを送る人のための環境に優しい建物なのだ。

07. 車一台分のスペースに建てられる家「Tikku」

ヘルシンキの街中に現れた、車一台分の駐車スペースに建てられる家「Tikku」

フィンランドの首都ヘルシンキで9月に開催された北欧最大のデザインフェスティバル、「ヘルシンキ・デザインウィーク」に登場したのは、車1台分の駐車スペースに建てられる3階建ての家「Tikku」だ。そこには「車」中心の都市ではなく、「人」中心の都市にしたいという願いが込められている。

08. 農業とオフィスが共存した高層ビル「World Food Building」

スウェーデンに建設中の、農業とオフィスが共存した高層ビル「World Food Building」

スウェーデンでは、農業とオフィスが共存する超高層ビル「World Food Building」の建設が進んでいる。都市に暮らす人々が増えるなか、食糧の生産地と消費地を近づけることで、よりエコな都市生活を実現させようという試みだ。このビルは、農業に使われるエネルギーをオフィスの暖房に利用するなど、循環型システムを兼ね備えている。

09. 排ガスゼロ、ゴミゼロ、貧困ゼロのエコリゾート

サステナブルという新しい贅沢。排ガスゼロ、ゴミゼロ、貧困ゼロのエコリゾート

フランスの建築事務所がフィリピンのパラワン島で計画しているのは、総敷地面積27,000平方メートルの「排ガスゼロ」「ゴミゼロ」「貧困ゼロ」のエコリゾートだ。観光産業と環境保護を両立させ、地元の人々の暮らしを豊かにする次世代のリゾートのあり方を提案している。

10. コンテナでできた再利用可能なスタジアム

コンテナで作られた、再利用可能なスタジアム。2022年カタールW杯

2022年ワールドカップの開催国であるカタールでは、できるだけ無駄な資材を使わず、廃棄物やCO2排出も抑えられるよう、コンテナを再利用したスタジアム建設が進行中だ。このスタジアムは大会終了後には分解でき、負のレガシーも残さない。

まとめ

人にも環境にも優しい建築デザインは、私たちの生活をより豊かなものにしてくれる。家やオフィスといった建物は私たちが快適な生活を送る上で欠かせないものだが、建物の建設や運営には多くの資材やエネルギーが使われることを忘れてはならない。建物を作る側だけではなく利用する側も同じ意識を持つようになれば、きっと世界はもっと暮らしやすい場所になるはずだ。