発電する窓ガラス。量子ドットを使った2重のソーラー窓

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アメリカのロスアルモス国立研究所チームが、発電する窓ガラスを開発した。この窓ガラスは量子ドットを使った2重のソーラー窓で、陰を提供し、遮熱効果を持ち、効率よく発電することができる。

持続可能かつ低コストなエネルギーの確保は現代社会の重要な課題だが、今回発表された量子ドットを使った2重のソーラー窓は、この課題解決に大きく貢献できそうだ。

クリーンエネルギーの代表格といえばソーラーパネルを使った太陽光発電だが、ソーラーパネルの設置には場所が必要となる。特に多くの人が住む都市部ではソーラーパネルが設置可能なのはビルや家屋の屋上だけなどに限定されており、大きな効果を望むのは難しい。しかし、私たちが住むほとんどの建物には窓がある。この窓が発電するとなると、エネルギー確保への道は一気に広がりそうだ。

ロスアルモス国立研究所チームは、窓ガラスに低コストである量子ドットの2つの異なるレイヤーを使い、太陽スペクトルを色ごとに吸収することに成功した。これにより、既存のソーラーパネルに効率的に太陽光を集めたり、半透明窓として建物建築に統合させるなどして、これまでの太陽電池技術を補足していくことができる。また、量子ドットが太陽電気のコストを下げていくことが期待される。

今回の研究成果のカギは、太陽光子を高エネルギーと低エネルギーに分けて処理するという「太陽スペクトルの分割」だ。

研究チームは、前面のガラス窓の表面に高い放射性を持つマンガンドープされた量子ドットのレイヤーを施し、後面のガラスの表面に銅インジウムセレン化物量子ドットのレイヤーを施した。前面のレイヤーは、高エネルギーである太陽スペクトルの青と紫の部分を吸収し、他のスペクトルは後面のレイヤーで吸収される。光が一度吸収されると、ドットは光エネルギーを長波長で再放射し、再放射された光は窓の角で内部反射される。そして、窓枠に付けられた太陽電池が光を集め、電気に変えるのだ。

高エネルギーの光子は、より高い光電圧を生成する。これにより、全体の出力を上げることに成功した。また、研究チームは、高い放射性不純物として機能するマンガンイオンを量子ドットに加えた。量子ドットにより吸収されたされた光が、これらの不純物を活性化する。活性化されると、マンガンイオンは光を放出する。こうして、量子ドットの自己吸収により損失がなくなり、光電流も改善された。

今回のロスアルモス国立研究所チームが開発した、効率よく発電する窓ガラス。部屋の中に光を取入れるための窓、建物の表面面積の多くを占める窓で太陽光発電するというとてもいいアイデアだ。このソーラー窓のこれからが楽しみだ。

【参照リリース】Tweaking quantum dots powers-up double-pane solar windows

(※写真:Los Alamos National Laboratoryより引用)