WWF、食品事業者向けに「準備いらず」の堆肥化サブスクを開始

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生ごみを分解・発酵させて有機肥料にするコンポストは、食品ロスをごみにすることなく有効活用できる方法だ。しかし、食品を取り扱う事業者が実際にコンポストをやろうとすると、十分な場所や時間がなかったり、ごみの臭いや害虫など衛生面が気になったりして、困難を感じることが多いのではないだろうか。

世界自然保護基金フィリピン(WWFフィリピン)と、コンポストのサービスを提供する企業「GreenSpace」は、こうした悩みを持つ事業者がよりコンポストに取り組みやすくなるアプリ「Soilmate」の開発に踏み切った。同アプリでGreenSpaceのサブスクリプションサービスを利用すると、コンポストに必要な道具が定期的に届くうえ、できた肥料を回収してもらえるのだ。

WWFによると、同サービスを使うことで、コンポストにかかる時間を通常の約半分に短縮することができ、その過程で発生する臭いも少なくなるという。使い方は簡単で、届いたコンポスト用の容器に10キロ分の食品廃棄物を入れ、その上から麦ぬかやもみ殻を混ぜた専用の粉をかけ、容器に蓋をして置いておくだけ。あとはGreenSpaceに連絡して、いっぱいになった容器を回収してもらうと同時に、新しい容器を受け取る。回収された容器は、GreenSpaceの堆肥場に送られるという流れだ。

Soilmateは、WWFフィリピンがフィリピン政府などと立ち上げた「The Sustainable Diner(持続可能な食堂)」プロジェクトの一環で行われる取り組みだ。このプロジェクトはドイツ連邦環境省も支援しており、フィリピンの外食産業がよりサステナブルになるための方法を模索している。

コンポストのメリットは、食品廃棄物を減らせることだけではない。有機肥料を土にまくと土壌が健康になり、大気からより多くのCO2を取り出すことができるようになる。つまりコンポストは、土壌を活性化させながら自然環境の回復に繋げるリジェネラティブ農業の促進に、一役買っているのだ。

廃棄物削減に取り組みたい企業は、ぜひコンポストに挑戦してサーキュラーエコノミーに貢献してみてはどうだろうか。

【参照サイト】 SoilMate: An IT Solution on Food Waste Landfill Diversion through Composting

Edited by Erika Tomiyama

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