スイスのコカ・コーラ子会社が開発!空気中のCO2でつくる炭酸水

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スイスのコカ・コーラHBC社が、テック系スタートアップClimeworks社と共同で、空気中のCO2を使った世界初の炭酸水の開発を発表した。コカ・コーラ社傘下のミネラルウォーターブランドValserの製品として、「VALSER Sparkling」「VALSER Sparkling Lemon & Mint」「VALSER Viva」の3種類が発売される。

Valserは先日、スイスで初めてカーボンニュートラルなミネラルウォーターをつくったとして認定を受けており、炭酸水にこの技術を適用する業界初のブランドとなる。スイス、ヴィンタートゥール市の公益財団やスイス連邦環境局も、このプロジェクトを支援している。

飲料業界は、製品づくりにおいて世界でも有数のCO2排出量が多い業界である。炭酸飲料に気泡を発生させるために、二酸化炭素を入れるのだ。そこで、コカ・コーラHBC社とClimeworks社が開発したのが、持続可能な資源である空気からCO2を抽出し、炭酸水をつくることでCO2のトータル排出量を減らすという、一石二鳥な方法だ。

また、この技術は国連が設定した気候目標達成において、これからの技術開発に大切な市場を提供している。

コカ・コーラ

(c)Coca-Cola HBC

Valser社のブランドマネージャーであるヤーナ・リュッキング氏は、「Valserの飲料水が、この技術を発展させられることが嬉しい。ヴァルサ(ファルサ)の美しい山々を源泉とするValser社のミネラルウォーターは、昔から自然と深く関わってきた。そして今回、持続可能性においてさらなる一歩を踏み出す。」と語っている。

スイスコカ・コーラHBC社のゼネラルマネージャーであるニーゲル・デイビス氏は、「この画期的な技術を開発する初の飲料会社となれることを誇りに思う。持続可能性は私たちの戦略的優先事業の一つだ。私たちは常に、環境への影響をさらに減らす方法を模索している。このプロジェクトにより地元企業をサポートできることについても、とても喜ばしく思っている。」と述べる。

以前、IDEAS FOR GOODでも、バイオマス発電の副産物であるCO2を有効活用したイギリスのビールについてご紹介した。今後、空気中のCO2をリサイクルした飲料水はさらに増えていくかもしれない。

空気中のCO2をリサイクルしてつくる、スイスのコカ・コーラHBC社の世界初の炭酸水。清涼飲料水製造の世界的大手コカ・コーラ社が、CO2削減に向けて踏み出した一歩は、世界の飲料業界にとっても大きな進歩となるだろう。まずは、自然の恵みと開発者の思いがつまった、この新製品を飲んでみたい。

【参照サイト】VALSER to get its fizz from the air with Climeworks
【関連記事】CO2を集めてビールを造る、イギリス生まれの逆転の発想

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