ワークライフハーモニーとは?
「仕事と生活はバランスを取り合うものではなく、どちらも充実させて互いに融合するものである」という意味の言葉。
AmazonのCEOジェフ・ベゾス氏が2016年のRecode Codeカンファレンスで「私は、社員たちにワークライフバランスよりもワークライフハーモニーを大切にするよう伝えている」と発言したことで広まった。
ワークライフバランスという言葉はどこか変
すっかりお馴染みの言葉になったワークライフバランスだが、この言葉がどこか奇妙に聞こえるのは、ワークが言うまでもなくライフに含まれるものだからだ。本来対立する概念ではないものを、あたかも対立しているかのように呼ぶ風潮がある。
実際の使われ方を見ると「仕事をしている時間」と「仕事以外のプライベートの時間」を対立させているわけだが、これにしてもそんなにスッパリ切り離せるものなのだろうか。家に帰ってからの家事・育児や家庭菜園も仕事だと見なせるし、一般的に使われる意味の「仕事」といっても、何も強制労働をさせられているわけではなく、自主的にやっていることなのである。
呼吸をしている間になされることはすべてひっくるめてワークでありライフである、という観点がこの言葉からは抜け落ちており、それに比べるとワークライフハーモニーは一体感を適切に表現しているといえる。
ブラック労働との境目が難しい
とはいえ、一企業の経営者がこの言葉を従業員に教え広めていると、ブラックな働き方を強要しているようにも聞こえる。実際ベゾス氏は「いつも終業時刻ばかりを気にしている社員は惨め」と発言したうえでワークライフハーモニーを訴えているため、ともすれば果てしない労働をさせる口実にもなりかねない。
「社員は家族」「最善を尽くすためにギリギリまで諦めない。それを激務と呼ぶかどうかは、あなた次第」といった言い草と同種の、にじみ出てくる怖さがある。経営者のベゾス氏にしてみれば、会社と自分は一心同体でありオンとオフの境界線なんて感じないというのが偽らざる感覚なのだろうが、雇用されている立場の人にそれがどう聞こえるか。
その人がどのポジションにいるか、またどういう働き方をしているかによって見据えているものは変わってくるのだ。







