センスメイキングとは?
センスメイキングとは、人間がある経験や起きている現象に対して、能動的に意味を与える思考プロセスの事。この概念自体は、1970年代に組織心理学者のカール・ワイクによって紹介された。日本語に直訳すると「意味づけ・納得」と言う事ができ、近年では特に経営学の分野で注目されている。
「Sense」という言葉は、英語では「良い判断をすること(coming to senses)」や「理解すること(sense of humour)」といった意味でも使われる事が多い。
現代の複雑化するビジネスシーンにおいては、絶対的に「正しい答え」を過去の経験やデータ分析などによって見つけるのは難しい。そのような状況で、組織やチームのリーダーが、身の回りのものごとに「意味付け」を行い、周囲を納得させるストーリーを語る事で、次の行動を起こす推進力につなげるプロセスがセンスメイキングだ。
センスメイキングを活用した事例
センスメイキングの活用事例をわかりやすく説明した有名なストーリーがある。
ある登山隊が雪山登山を行っていたところ、激しい吹雪に襲われ、遭難をしてしまった。助けを呼ぶこともできず、周りの状況も分からず死を覚悟していたが、そんな中、隊員の一人がポケットに山の地図を見つけた。登山隊のリーダーは地図があることを示し、メンバーはその地図を見て落ち着きを取り戻し、やるべきことを冷静に考えて無事に下山する事ができた。しかし、実は隊員が見つけた地図は遭難した雪山ではなく、別の山の地図だった。
出典:R. R. McDaniel Jr. and D. J. Driebe (Eds.) “Managing the Unexpected: Complexity as Distributed Sensemaking,”
つまり、登山隊が手にしたのは実際に登った山とは別の山の地図だったにもかかわらず、「地図があること」によって冷静に現状を分析することができ、安心を得て次の行動に移すことができたのである。
イノベーションを起こすリーダーに必要とされるセンスメイキング
現代は、IT技術の発展などにより、変化が激しく、複雑で、不確実性の高い時代となっている。そのような中で、「過去の事例の分析に基づいて次のアクションを決める」という従来の戦略で戦うのには限界がある。
国内外に関わらず、より良い社会を創るためのイノベーションを起こすには、センスメイキングで物事を捉え、人を引きつける圧倒的なストーリーを語ることができる経営者・リーダーがますます必要とされている。
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