アセクシャル(エイセクシュアル)とは?
アセクシャル(またはエイセクシャル・エイセクシュアル・無性愛・Aセクシャル)とは、他者に対して性的欲求を抱くことが少ない、またはまったく抱くことがないセクシャリティだ。恋愛感情(好きという感情)を抱くことはあっても、その相手に性的な感情を持つことはないことが特徴である。性的マイノリティの人々をあらわす「LGBTQIA」の「A(=Asexuality)」がアセクシャルだ。
アセクシャルに関する国際的な団体Asexual Visibility and Education Network(AVEN)は、アセクシャルを「恋愛感情の有無に関わらず、他者への性的欲求を経験しない人」や「他人への性的な魅力を経験していない人」と定義している。
これまでの人生で、特定の誰かと性的接触をしたいと思ったことがないという場合は、これに当てはまる可能性がある。また同団体は、人は自分の性が定まらず、自問している間は、自分自身を無性愛者と見なすこともある、としている。
ちなみに、アセクシャルは「意識的に恋愛をしない」人を指すわけではないため、「宗教的な理由で恋愛ができない」「恋愛をしないようにしている」といった人はアセクシャルには含まれない。
厚労省の「性的指向と性自認の人口学-日本における研究基盤の構築」チームが2019年に大阪市民を対象に行った調査によると、回答者のうちアセクシャルだと回答した人の割合は0.8%ほどだという。
アロマンティックやノンセクシャルとの違い
アセクシャルとよく似た言葉として、アロマンティックやノンセクシャル(非性愛)という言葉が使われることがある。三者の違いを簡単に説明すると、以下の通りだ。
- アセクシャル:他人に性的欲求を抱かない(恋愛に関しては言及しない)
- アロマンティック:他人に恋愛感情を抱かない(性欲に関しては言及しない)
- ノンセクシャル:他人に恋愛感情を抱くが、性的欲求は抱かない(好きになるが性的ではない)
冒頭で、アセクシャルが「恋愛感情の有無に関わらず、他者への性的欲求を経験しない人」であると述べた。つまり、アセクシャルの人のなかには、他者に対する恋愛感情はあっても性的欲求は抱かない「ロマンティック・アセクシャル」もいれば、恋愛感情も性的欲求も抱かない人「アロマンティック・アセクシャル」もいるということだ。
日本においてアセクシャルという言葉は、「アロマンティック・アセクシャル」の意味合いで使われる場合が多い。
アセクシャルの結婚観
恋愛話はできても、性的行為を求めていないために、生きづらさを抱えていると言われるアセクシャル。アセクシャルを自認する人のなかにも、結婚願望を抱く人はもちろん存在する。
アセクシャルの当事者であるYoutuberのなかけんさんは、HUFFPOSTの記事にて、
アセクシュアルっていうと結婚しないんでしょ、する気ないんでしょ、と言われることが多いんですけど、オフ会で聞いていると結婚に関心がある人は3,4割程度いるのかなぁという印象でした。
と語っている。さらに同氏は同記事内で「結婚はしないが、パートナーと呼べる人は欲しい」という意見もあることを紹介している。
誰もが自分らしく生きられる世の中に
日本では、他者に対して性的な魅力を感じないだけでなく、恋愛感情も抱かないことをあわせてアセクシャルと呼ばれることが多いことからか、「アセクシャルの人は、誰かに人間的な魅力を感じない」「アセクシャルの人は愛情を抱けない」と考える人もいる。しかし、それは誤解で、アセクシャルの人も他者に人間的な魅力を感じたり、友人やパートナーへ友情や愛情を抱いたりする。
アセクシャルで結婚している人もいれば、友情関係としてパートナーを持つ人もいて、結婚観も人それぞれ。セクシャリティで人の価値観をジャッジすることはできないし、するべきでもないだろう。
誰かを好きになる、好きにならない、性的欲求を抱く、抱かないといった話は、人生のタイミングによって後天的に変化することもある。「アセクシャルだから結婚しないんだ」などと他人の性をジャッジするのはやめることが大切だ。
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