ショートターミズムとは?
「短期志向」や「マイオピア」とも呼ばれるショートターミズム(Short-termism)。これは、企業や投資家が短期的なキャッシューフローや利益の追求を重視し、長期的な成長や価値向上に向かわない傾向を指す。
短期的な利益を追い求めた投資ばかりをした結果、将来の持続的な成長や、地球全体の環境が損なわれると国際的に問題視されていることから、この言葉が生まれた。具体的には2008年の金融危機を契機に、過度のショートターミズムが企業と投資家にもたらす弊害の認識が拡大している。
ショートターミズムの種類
企業によるものと、投資家によるものの2種類に分けられる。
企業におけるショートターミズムとは、研究開発や設備投資などの長期的プロジェクトよりも、短期的に利益を上げられるプロジェクトに投資することを意味する。投資家におけるショートターミズムとは、投資活動において短期的にリターンの獲得を目指す行動を指す。
ショートターミズムが優先される理由
企業の場合
- 四半期財務報告や企業内外の短期的業績予想を達成するため
- 経営者の在任期間が短期的。将来の利益よりも在任期間中の利益創出が重視される
投資家の場合
- 長期的に株価上昇期待が薄い状況下における決定
- 日本の投資コミュニティにおいて短期志向を促すインセンティブが働いていること
- 企業側から中長期的な価値創造を理解するための効率的な情報公開がなされていないこと
そしてその根本には、機関投資家や市場関係者の評価基準・利益構造が短期的利益を得ることで成立しているという社会構造の問題点が挙げられる。
ショートターミズムを引き起こさないための対策例
短期的な利益を追い求めるだけでなく、環境や社会のことも含めた長期的志向をするには、以下の方法が有効だとされている。
四半期開示の撤廃
四半期ごとの財務情報開示を撤廃することで、企業は短期間の業績達成ではなく、長期的な利益の達成に注力できる。投資家も企業の長期的な経営情報を元に投資先を判断することが可能となる。
ESG情報(非財務情報)の公開
企業のESG情報を公開することで、投資家は企業の中長期的な展望を予想することが可能となり、ESG投資(※1)を促す効果があるとされている。
※1 財務情報だけでなく、ESG情報(環境”Environment”・社会”Social”・ガバナンス”Governance”の3要素)も考慮した投資のこと。長期で運用する投資家を中心に、企業経営のサステナビリティを評価する概念が普及したことで、SDGs(持続的な開発目標)と合わせて注目されている。
まとめ
多くの企業が短期的なキャッシュフローを重視し続けることで、いつの間にか長期的な投資ができない構図が完成されていく。そんな状態から脱却するために、英国では持続可能な成長に関する提言「Kay Review(ケイ・レビュー)」が2012年にまとめられ、現在はそれに沿った制度改革がすすめられている。
短期的な利益が重視される中、日本の企業はどのように動いていくのか。今後の動きに注目していきたい。
【参照サイト】経済産業省「ESG投資とは」
【参照サイト】日本政策投資銀行「ESG金融とSDGs」
関連記事は現在ありません。
別の記事もぜひご覧ください。







