セクシャルウェルネスとは？

セクシャルウェルネス（もしくは、セクシャルヘルス）とは、「性の健康」のこと。一般的に、身体的な面だけではなく、性に関して精神的、社会的にも健康である状態を指す。

WHO（世界保健機関）は同じ概念であるセクシャルヘルスについて、「単に病気がないことではなく、幸福のこと」「生殖年齢にある者だけでなく、若者や高齢者にも、個人の生涯を通じて関係する」と述べており、「性の健康は、個人、カップル、家族の健康と幸福、そして地域社会と国の社会的・ 経済的発展の基礎となる」とし、その重要性も述べている。

セクシャルウェルネスを保つために必要なこと

セクシャルヘルスを維持するためには、「強制、差別、暴力のない、楽しく安全な性的経験を持つことができ、性と性的関係に対する前向きで尊敬に満ちたアプローチが必要」だとWHOは述べている。

さらに、セクシャルウェルネスを保つために必要なこととして、「性とセクシュアリティに関する包括的で良質な情報を入手すること」「自分たちが直面する可能性のあるリスクや無防備な性行為による有害な結果に対する自分たちの脆弱性に関する知識を持つこと」「セクシュアル・ヘルス・ケアを受けられること」「性的健康を肯定し、促進する環境での生活」などをあげており、社会的にセクシャルウェルネスを高めていくには、適切な性教育や、こういった話題をオープンに議論できる環境の必要性が強調されている。

セクシャルウェルネスが注目される背景

セクシャルウェルネスはどんな性的指向、性自認を持つ人にとっても大事だが、昨今とりわけ話題になっているのは、女性のセクシャルウェルネスに関してである。理由としては、これまで女性の性的な話題を語ることは社会的にタブーとされる傾向が強かったからだ。

しかし近年、そんな状況を打破しようと、女性のセクシャルウェルネスを高めるグッズやテクノロジーの開発を行う女性起業家が次々と現れている。

例えば、アメリカのスタートアップ企業「ohnutco」や「unboundbabes」は、女性のセルフプレジャーをサポートするグッズや、〜を開発している。いずれもこれまで性的なものに付き纏っていた、「卑猥」「よくないもの」といったイメージをガラリと変えてくれる、洗練されたプロダクトだ。

また国内でも、「女性に寄り添うここちよさを届ける」ことをコンセプトに、女性のセクシャルウェルネスに関わるプロダクトを開発する「iroha」といったブランドが注目を集めている。

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さらに、途上国では女性の生理がタブー視されていることが理由で、十分な生理用品を手に入れることができないことはおろか、生理中は学校に行けない女性たちも大勢いる。こういった課題を解決していくことも、セクシャルウェルネスを向上させる活動のひとつと言える。

セクシャルウェルネスのこれから

性的な話題をどれだけ周りとするかは個人の自由だが、「してはいけないもの」として感情や必要以上に悩みを抑え込んでしまう状況が少しずつ改善されていっていることは、良い流れではないだろうか。本記事では話題になっている女性のセクシャルウェルネスを中心に取り上げたが、LGBTQ＋に当てはまる人や障害を持つ人のセクシャルウェルネスについても、今後よりケアされていくことを期待したい。

性に関する話題をタブー視するのではなく、私たちのウェルビーイングに大きく関わるものと捉え、少しずつでもオープンな議論を受け入れていきたい。

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