途上国の可能性に光をあてる。世界に通用するブランドを目指す「マザーハウス」【高校生が出会ったサステナ企業・団体】
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この記事を執筆したのは、広島の「高校生たち」である。
未来を見据えた高校2年生たちが、さまざまな生き方を知り価値観を広げ、自分らしさを問う探求学習「わたしプロジェクト」。その一環で生徒たちは2022年に広島から東京を訪ね、ワクワクするようなサステナブル事業に取り組む企業に足を運び、自ら取材を行った。
高校生たちは企業と出会って何を学び、何を感じたのだろうか。
※以下、広島の沼田高校2年の生徒による記事となります
「貧困」テーマで訪れたのは……
マザーハウスは「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念の下、途上国にある素材や人材の能力に光を当てたモノ作りを行う企業だ。途上国の素材と職人の手仕事から生まれたバッグ、ジュエリー、アパレルの最新コレクションを手がけている。私たちが注目したのは、どういった意識で途上国と向き合えば良いのかという点である。
今回私たちは、SDGsに関連する業界で働く人の目線や考え方を知るため、マザーハウスの小田靖之さんにインタビューした。
何よりも「Why」を大切に
Q.マザーハウスではどんな取り組みをしていますか。
マザーハウスでは、発展途上国の人達の技術や現地にある素材を、商品に活用しています。例えば、ネパールでは天然素材からストールを生産し、インドネシアでは、伝統技術によって発達した線細工や独自の金配合によるジュエリーを生産。また、役目を終えたレザーバックを回収し、レザーを再利用することで世界に一つだけのバックを作るRINNEという取り組みも行っています。
かわいい、かっこいい、素敵と感じる商品を、途上国の人たちと対等な関係で作り続けて販売することが「持続可能な途上国支援」を実現することに繋がると考えています。
Q.マザーハウスの活動により、途上国の人々にはどのような変化がありましたか。
マザーハウスでは、作り手である職人さんと使い手であるお客様が、直接コミュニケーションできる場を定期的につくっています。例えば、お客様に対しては、「どんな思いで職人さんがつくっているか」を伝えることで、愛着を持って使用していただきたいと思っています。現地の職人さんたちにとっては、上記のような直接お客様とコミュニケーションを取ることで、自分が作ったものがどんな人たちに渡り、どんな風に使っていただいているかがわかり、自分が働くモチベーションやよりよいモノづくりや技術向上につながります。そうすることで、途上国の人々が「自分の意思を持って」物作りをするようになったと感じますね。
Q. マザーハウスで働く人たちは何を大切にして働いていますか。
私たちが大事にしているのは「途上国から世界に通用するブランドを作るんだ」という意識をそれぞれがちゃんと持つことです。この会社で何を実現したいかというのは個人で目標が分かれていますが、皆の根本にあるのは、同じ理念。会社の理念をみんなが理解して、お客様にどう言う形で提供できるのかというのをそれぞれがちゃんと考えているからこそ、マザーハウスの取り組みは意味を持つのだと思います。
Q. マザーハウスで働く人たちは何をやりがいに仕事をしているのですか。
まず、「whyを考える」というのが社内用語としてあります。全てのプロジェクトにおいて、「how」よりも前に「なぜやるのか」ということをよく議論するのです。その作業はとても大変に感じますが、それらを「考えること」がやりがいになってますね。マザーハウスでは、一人一人の社員が「なぜそれをやるのか」を考えていくことから全てが始まっていくようなところがあります。それはすごく大事にしているところですね。
自分ができる身近なことから
企業が国を跨ぐ規模で取り組んでいることと同じことは私たちには出来ないかもしれないが、マザーハウスの取り組みの一つであるRINNEに似たような取り組みは、私たちにも出来ることの一つだと思う。例えば、廃棄される予定の食材や、余った布などを使って再利用していく。マザーハウスのような途上国を支援している企業の商品を買う。最後まで大切に扱う。いらなくなったものなどを寄付する。自分達が今できる身近なことから取り組んでいくことが大切である。
私たちがこういった行動を少しずつでも積み重ねていけばSDGsの達成に近づくと思う。SDGsは企業だけでも、個人だけでも成し遂げられることではない。だからこそ、私たち一人ひとりの意識が大切であると考えた。学んだことを活かし、SDGsを他人事と考えないようにしたいと思う。
記事執筆者:沼田高校2年生(片嶌晴日、迫祐花、小林鈴望、大長夢叶、有重妃莉、藤田航、山根理夢、辻本倫太郎、河野真美、尾髙妃菜、竹下夢乃、黑永美咲、坂枝華凜、宮川ひより、末次柚花、湯木志乃芙)