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介護の素晴らしさを次の世代に。介護職の人手不足を解消するBlanket【高校生が出会ったサステナ企業・団体】

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介護の様子

Image via Shutterstock

この記事を執筆したのは、広島の「高校生たち」である。

未来を見据えた高校2年生たちが、さまざまな生き方を知り価値観を広げ、自分らしさを問う探求学習「わたしプロジェクト」。その一環で生徒たちは2023年に広島から東京を訪ね、ワクワクするようなサステナブル事業に取り組む企業・団体に足を運び、自ら取材を行った。

高校生たちはそこで何を学び、何を感じたのだろうか。

※以下、広島の沼田高校2年の生徒による記事となります

「福祉」テーマで訪れたのは……

私たちが訪問したのは、介護職の人手不足解消を目指したサービスを展開する、株式会社Blanketです。今回は、介護業界の現状や介護の魅力について伺うため、同社の松川由佳さんにお話を伺いました。

介護の魅力を伝え、業界の人材不足解消へ

Q.株式会社Blanketはどのような企業ですか?

現在の介護職の人手不足を少しでも解消し、人手を増やしていくために採用コンサルティングや研修、パンフレット・ホームページ制作、市区町村の福祉PRなどを行う会社です。他にもコミュニティ運営事業、サービス企画・開発支援事業を行っています。

例えば、「新人介護職向け研修」では、介護・福祉の仕事を始めるうえで大切にしてほしいことやビジネスマナー、ストレスマネジメントなど、新人介護職に必要なスキル・知識を学び、モチベーションアップ・早期離職防止に貢献しています。

「人事担当者・施設管理者向け研修」では、人材育成の基本視点や新人受け入れの際のポイントなど、新人の早期離職につながる要因を理解し、総合的な支援力の向上を目指す研修を実施しています。採用支援では、採用課題解決のためのコンサルティングや採用力向上に向けた基礎スキル研修、面接官トレーニングなど課題やレベルに合わせた研修を企画・実施しています。

Q.松川さんは、どのようなお仕事をされていますか?

主に採用コンサルティングや研修やパンフレット・ホームページの制作、行政の介護・福祉のPRなどを担当しています。「介護の楽しさを多くの人に教え、介護職に就く人を増やしたい」「相手や企業の気持ち、意見、考えに寄り添いたい」といった想いで仕事をしています。「全ての人が希望を語れる社会」を、介護業界から作っていきたいと思っています。

「全ての人が希望を語れる社会」を作りたい

Q.介護業界の人材不足の現状を教えてください。

今、日本では高齢化が進み、介護を求める高齢者の方が増加しています。さらに、介護福祉士を目指す若者は減少しているため、2040年には、介護を求める高齢者に対し、介護福祉士が最大で69万人不足してしまうと想定されています。

Q.それに対して、どのような取り組みを行なっていますか?

この問題を解決するために、介護に関わる仕事に就く若者が増え、素敵だなと思える介護・福祉の会社が増えるように、各会社の採用支援、PR、人材育成等に力を入れています。具体的には、採用の課題を持っている会社に対して、課題解決に向けて一緒に考え実践していくことや、会社のどのような部分を伝えていくと働きたい人が増えるかなどのPRを考えています。また、子どもたちが介護に興味を持てるようなイベントも開催しています。都市だけでなく、少子化が課題となっている地方でも行っています。

Q.介護の魅力は、どんなところにあるのでしょうか?

利用者さんが信頼してくれて、たくさん話をしてくれることで、距離がぐっと縮まるときに、その魅力を感じます。特に、利用者さんから辛い出来事についての話を聞いたとき、最後は笑顔で過ごして欲しいと思いできることを考えて取り組んだ結果、その人が笑顔になってくれたことが嬉しくて、介護が面白いと感じました。

Q.Blanketさんのビジョン「全ての人が希望を語れる社会」を作っていくために、私たちにできることはなんでしょうか?

多種多様な人たちと関わって偏見をなくしていくことが大切です。また、相手を思う気持ちを大切にし、信頼関係を築いていくことが、「全ての人が希望を語れる社会」につながっていくと思います。

寄り添うことも、ひとつの介護

取材を終えて、これから少子高齢化が進んでいく中で、このまま改善されず自分たちが高齢者になった時、周りに介護をしてくれる方がいないというのは、とても恐ろしいことだと感じました。そして、高齢者の方は手がかかると考えてしまっていたけど、松川さんの話を聞いて、今は助けが必要な高齢者の方々も厳しい世の中を生きてきた方たちなのだから、一人ひとりを尊重する姿勢が必要だと感じました。

また、いわゆる「介助」だけが介護ではなく、話を聞くなど、寄り添う事も一つの介護につながるという事を学びました。介護士の方の負担を少しでも減らすためにも、高校生である私たちでもできることから介護に関わっていきたいと思いました。自分の祖父母に対しても、話を聞く、重いものを持っていたら手伝うなど、身近なことから役に立ちたいと思います。

また、取材を通して介護に対する考え方が変わりました。これまでは、介護にはとにかく大変そうというイメージがありました。しかし、互いに信頼を築いていくことや、大変なことがあってもそれを上回るほどの嬉しさややりがいがあるというところが介護の魅力だと知り、利用者を笑顔にできる素敵な仕事だと感じました。もっと多くの人にこうした介護の魅力が伝わっていくと良いなと思います。

なんの隔たりも無く助け支え合える社会を目指したい

また、介護はもちろん、社会全体としても信頼関係を築いていくことが大切だと分かりました。ですから、これからを生きる高校生として人とのコミュニケーションを大切にし、人を見た目で判断せず、偏見なく誰とでも関わっていきたいと思いました。

例えば、話したことのない人に話しかけるのは勇気がいりますが、そこを一歩踏み出して話しかける、障害を持った方とも話してみるなど、コミュニケーションの輪を広げていきたいと思います。

また、社会全体として、なんの隔たりも無く助け支え合える事が介護を超えた社会としてありたい姿なのではないかと思いました。その姿に向かっていく為に私達が出来る事は、年上や年下などの年齢の壁、健常者や障害者の壁などといった様々な壁を超えて、それぞれの立場に立って考え、相手の気持ちに寄り添った行動をすることだと思います。

例えば、ショッピングセンターなど公共の場に障害者の方がいたとき、「私たちみんなと違うから」という理由で避けてしまうことがあるかもしれません。しかし、少し寄り添う気持ちを持つとそこの壁を壊せるのではないでしょうか。

高齢者の方に対しても、お会計などで時間がかかっているのを見たとき、若者にとっては簡単でも高齢者の方にとっては未知で難しいのかもしれない、と想像できると思います。そうすれば、ゆっくり待ってあげたり、手伝ってあげたりといった行動が自然とできると思います。みんながその気持ちを持ち、助け合う雰囲気を作れば、行動しやすくなると思います。だからこそ、誰かがアクションするのを待つのではなく行動していきたいです。

Blanketの人々から受け取った、ポジティブなエネルギー

今回の取材を通して、松川さんを始めとしたBlanketの方々は、今だけではなく将来まで見すえて「これからどうするのか?」「もっと若い人が働きたいと思える業界にしたい」と考えて動いていて、素晴らしいと感じました。さらに、代表の秋本さんが、問題意識を抱いて大学を卒業してすぐに会社を立ち上げるという行動を実際に起こした事が素晴らしいと思いました。

Blanketさんが会社として目指す「全ての人が希望を語れる社会」をイメージし、ロゴマークの色を希望を感じられる黄色にしたという話などから、少しでも多くの人に介護や福祉という仕事に希望を抱いてほしいというBlanketさんの熱い想いが伝わってきました。

最後に、「それぞれに生きづらさがある中で社会全体が寛容になり、一人ひとりがやりたいと思ったことに全力で走っていけるような社会を作っていきたい」という松川さんの考えは、これからの社会に必要不可欠だと思いました。私たちも、周りの人がやりたいと言ったことを全力で応援するなど、自分からその雰囲気を作っていけたらと思います。

Image via Blanket

執筆者:広島市立沼田高校2年 引地 結・河野 由奈・東 真凛・矢敷 春陽・杉原 穂希・石山 奈緒・角田 ももか・窪 和奏・正壽 美愛莉・楢原 芽琉・小西 咲・乘松 泉美・神崎 瑛心・和田 泰聖・石田 雄士・伊藤 拓哉・宮川 拓巳・岩室 怜那・石山 奈緒

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