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未来の地球に可能性を残す。「洗剤」で自然と社会を繋げるサラヤ株式会社【高校生が出会ったサステナ企業・団体】

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この記事を執筆したのは、広島の「高校生たち」である。

未来を見据えた高校2年生たちが、さまざまな生き方を知り価値観を広げ、自分らしさを問う探求学習「わたしプロジェクト」。その一環で生徒たちは2023年に広島から東京を訪ね、ワクワクするようなサステナブル事業に取り組む企業・団体に足を運び、自ら取材を行った。

高校生たちはそこで何を学び、何を感じたのだろうか。

※以下、広島の沼田高校2年の生徒による記事となります

「森と畑の健康」テーマで訪れたのは……

私たちが訪問したのは、植物系の台所用洗剤「ヤシノミ洗剤」などを製造・販売しているサラヤ株式会社です。今回は、同社が地球の環境を良くするためにどのような取り組みを行い、いかに事業地域の自然を守っているのかを学ぶため、同社の中西宣夫さんにお話を伺いました。

地域産業と消費者をつなげる

サラヤ株式会社は、主な商品として植物性の洗浄成分を使用した「ヤシノミ洗剤」、ハンドソープの「ウォシュボン」、植物由来のカロリーゼロ甘味料「ラカントS」などを扱っている会社です。

互いに密接な関係にある「衛生」「環境」「健康」という3つのキーワードを事業の柱とし、より豊かで実りのある地球社会の実現を目指しており、様々な商品とサービスを提供しています。

同社の社会貢献活動エリアであるマレーシア・ボルネオ島では、世界の食用需要の増加などにより、植物を原料としているパーム油の生産が拡大しています。それに伴って、熱帯雨林を伐採してプランテーションを拡大した結果、生き物が住処を無くすなどさまざまな環境・社会問題を引き起こしているのです。そこで同社は、ボルネオ保全トラストなど各種団体と協働して「緑の回路プロジェクト」などの環境保全活動にも取り組んでいます。

中西さんによると、商品の良さをお客様にわかっていただけるように、クオリティが高い商品をたくさん作ることを大切にしているそうです。また、「ボルネオ保全トラスト」の活動は、世界中の人々が集まって実施するプロジェクトなので、それぞれの国の価値観や意見が違うこともありました。それぞれの文化や価値観をわかり合うことで、プロジェクトチーム内が納得しあうことで、一つの目標に向かってみんなで活動できるよう調整することが大切なのだそうです。

しかし現在ボルネオ島では、ゾウがアブラヤシ農園の拡大によって生息地を追われ、住民が仕かけた罠にかかって傷を負うという問題が起きています。また森が分断され、オランウータンが孤立するという問題もあるのです。

そこでサラヤでは、「ボルネオ保全トラスト」やマレーシア・サバ州の野生生物局と一緒に様々な活動をしています。たとえば、罠にかかって傷ついた動物を助け出し、治療し、森に帰すという活動です。その取り組みの様子を熱弁する中西さんの姿から、強い思いを感じることができました。

課題と向き合い解決に挑むことの大切さ

サラヤは、森林が減少している国に目をやり、支援をしている地球環境のことを一番に考えた会社ということがわかりました。自分たちの生活の周りのものを生産するには生物が犠牲になっていることがあるとわかりました。

サラヤは、昔、他社が起こした石油系洗剤の排水による環境問題を、他社とは違う植物系洗剤を作ることで解決しました。しかし、その後多くの企業が植物系洗剤を作るようになったこと。また、その植物原料が世界中で食べられるようになったため、それを作るための畑が増えて森林を破壊してしまいました。その結果、そこに暮らしていた象は住処を失い、畑を守る農民とトラブルを起こすようになりました。このように社会の変化によっても、野生動物を傷つけるなどの問題点が生じ得るのだと知りました。そして問題は一つではなく、いくつも生じると分かりました。

しかし、会社としてその問題点をしっかりと解決しようとしていました。保全運動などの取り組みをして、「問題点が出れば解決する」ということを当たり前のように行動をしていて、素晴らしいと思いました。人々にも洗剤を届けることで、現地の人々を助けていたり、住む場所が無くなった動物までも助けようとしているサラヤは、商品を作るだけではなく、様々な方面で何かを助けようとしていると分かりました。このことから、自分たちの周りにある物を当たり前だと思わないようにしたいと感じました。

また、同社は、アーティストなどの方に現地を訪問してもらうプロジェクトを実施しています。知名度のある方にボルネオの現状について発信してもらうことで多くの人が関心を持つ機会になるため、サラヤにとってもそして世の中にとっても良いプロジェクトだと思いました。

組織をも動かす、行動力と想い

取材を経て、私たちが印象に残ったことは二つあります。一つ目は中西さんの考え方にこそ「サラヤらしさ」があると思ったことです。中西さんははじめ別の仕事に就いていました。仕事に行き詰まった中西さんが海外に出ていろんなことに触れたことにより今の仕事に就いたそうです。仕事に行き詰まってネガティブな考え方になっているにも関わらず海外に行ってみるという大胆さに感動しました。その大胆さがあったからこそ今のサラヤが海外の課題に目を向けて、取り組みが進んでいる成功している理由だと思います。私たちも行き詰まってしまったときは、広い視野で自分自身を見つめ直して行こうと思いました。

二つ目は、中西さんの自然環境を良くしたいという強い思いが印象に残りました。話を聞いている中で、中西さんが行ったどの行動の裏にも必ず森につながることがあり、その思いに心打たれました。すごくポジティブな中西さんでも悩んでいることや、うまくいかないことがあるけど自分がなぜ今まで続けてきたのか、なぜやりたいと思ったのかという根本にある強い思いが中西さんの背中を押していることがわかりました。

森を守るために、私たちにできること

私たちは動物の生活する森を増やし、持続的に守っていける社会になって欲しいと思います。そのためにはまず、サラヤ株式会社が行っている森の木を増やす活動が重要であると考えます。しかし今の社会では、木が減っていることは知っているものの、具体的にどのような被害があるのか、何が問題なのかを知っている人は少ないと思います。だからまずは自分たちで森の被害についての知識を増やしてそれを学校や周りの人に知ってもらうことから始めたいです。

沼田高校では1・2年生の前で自分たちが調べて思ったことや感じたことを伝えることができます。その発表をより良いものにすることがありたい姿に向かう第一歩になると思います。そこから先に進むためにはサラヤ株式会社のような強い思いを持って活動をしている会社の協力が必要だと思いました。私たちより行動力のある会社と共に、高校生という若い立場から同じ年代の若い人たちにまずは知ってもらいたいです。

執筆者:釣井陽真、甲斐歩瑠、白水勇太郎、土肥知浩、濱﨑真行、藤原伊吹、木村友信、尾方優奈、藤井祐志、奥田遼、増田大和、大庭侑也、中島駿之介、下垣内遼、藤下仁、大庭史也、大隅悠湖、井上莉奈、西渕生咲

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