VRから現実世界をよくする。グーグルの社会貢献プロジェクト「Daydream Impact」

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2017年は、VR(仮想現実)のテクノロジーが広く世に知れ渡る年となった。場所や時間を問わず、どこにいてもユーザーにリアルな体験を提供できるVRは、人々の共感を呼び、行動を促すエンゲージメントツールとして大きな可能性を秘めている。

そのVRの力を活用し、「仮想現実」から実際に私たちが暮らす「現実」の世界をよくしようとするプロジェクトが始まった。それが、グーグルが新たに始めた慈善事業「Daydream Impact」だ。

この新しいイニシアチブは、社会的事業を営むグループや非営利団体らに対してVRを活用するためのツールとトレーニングを提供するものだ。グーグルは既に同プログラムのパイロット期間中に複数の団体と共に活動を行っている。

Daydream Impactはまず、無料のオンライン学習サイト「Coursera」のトレーニングコースでVRコンテンツを作成するためのチュートリアルを提供する。ユーザーはこのコースを受けることでVR制作に必要となる知識を網羅することができ、最高のショットを得るためのヒントやコンテンツを公開してプロモーションする方法などを学ぶことができる。Courseraのコースは誰でも受講可能だ。

また、グーグルは認定プロジェクトに対してはVRコンテンツ制作に必要となる360度カメラやヘッドセットなど、一連のデバイスキットを貸し出すサービスも提供する。提供を受けた団体は6ヶ月間でVRコンテンツを作成し、紹介する。認定を受けるためには、プロジェクトがもたらすインパクトを測定可能か、プロジェクトの実現可能性、VRというメディアの利用が適しているか、などグーグルが定めたいくつかの基準を満たす必要がある。

これまでにDaydream ImpactではEastern Congo Initiativeのコンゴの苦難に関するプロジェクト、海岸線の変化、いじめ対策、癌治療における患者の不安を最小限に抑えるためのプロジェクトなど幅広い分野のVRコンテンツ制作が行われており、それらはDaydream Impactのウェブサイト上で閲覧可能だ。2018年にはさらに多くのDaydream Impactプロジェクトが行われる予定となっている。

VRという最先端のテクノロジーを利用して、社会をもっとよくするというこのイニシアチブは、グーグルらしい自社の強みを生かしたCSRプロジェクトだと言える。VRを利用して世界が抱える課題をよりリアルに感じられるようになれば、その解決に向けた動きも加速するだろう。今後のプロジェクトの成果に期待したいところだ。

【参照サイト】Daydream Impact
【参照サイト】Coursera “Daydream Impact”

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