誰もがユニークだと伝えよう。ナイキの「患者がデザインする」スニーカー

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ナイキスニーカーの人気コレクションの一つに、小児患者がデザインしたスニーカーがあるのをご存知だろうか。

その名も「Doernbecher Freestyle Collection(ドーレンベッカー フリースタイル コレクション)」。米国ポートランドにあるドーレンベッカーチルドレン病院への寄付を目的に、ナイキが2004年から開始したプロジェクトだ。

同コレクションのスニーカーはすべて、病院に入院する子供たちが一からデザインしたもの。毎年、多くのデザインのなかから選ばれたものが商品化され、子供ならではのユニークで斬新なデザインが人気を集めている。

Image via OHSU Doernbecher Children's Hospital

Image via OHSU Doernbecher Children’s Hospital

2022年の新作モデルに選ばれた患者――否、アーティストの一人であるゾーイ・タッフェは、100万人に1人の難病と闘う17歳の少女だ。彼女がデザインしたスニーカーは、一見するとゼブラ柄に見えるが、よく見ると縞模様の中にゾーイの名前が隠されている。さらにその縞模様は、ステロイド治療で彼女の肌にできてしまった皮膚の亀裂を表してもいるという。

彼女は、ドーレンベッカーチルドレン病院の公式サイトで次のようなコメントを公開している。

「私は、誰もがシマウマの縞模様のようにユニークだと信じているんです。

私のスニーカーは、私たち全員が特別で、珍しい資質を持つ、100万人に1人の存在なのだと思い出させてくれるデザインになっています。このスニーカーを通じて、自分の夢に向かって恐れずに挑戦する人が増えたらいいなと思いますね」

Image via OHSU Doernbecher Children's Hospital

Image via OHSU Doernbecher Children’s Hospital

2022年はゾーイを始めとした7名の子供たちのデザインが新作モデルに選ばれ、2月25日には新作発表会がオンラインで開催された。世界中から視聴者が集まり、小さなアーティストたちが語る自身のバックグラウンドや将来の夢について、耳を傾けたという。

同プロジェクトは、病気や怪我と闘う子供たちに創造性を発揮する機会を提供するだけでなく、新作発表会や病院のウェブサイト上など、自身の夢や考えを広く世界に伝える場を設けることで、彼らの自己有用感を高める大きな一助となっている。

スニーカーの販売利益は100%、ドーレンベッカーチルドレン病院に寄付される。寄付金は現在までで約2,400万ドルにのぼり、治療費の工面に苦労する患者家族への資金援助や、世界中の子供たちに利益をもたらす先駆的な研究の拡大など、さまざまな面で役立てられているという。

【参照サイト】DOERNBECHER FREESTYLE COLLECTION
【参照サイト】ICYMI: Doernbecher Freestyle XVII collection unveiled to international audience
【参照サイト】Doernbecher Freestyle
Edited by Kimika

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