民主的デザイン(デモクラティック・デザイン)とは?
民主的デザイン(democratic design)とは、関わる人々全員が平等な精神を持ち、あらゆる人々にとってのいい製品づくりを目指すことをいい、北欧スウェーデンでのものづくりにおいて大切にされている考え方である。
かつてデザインとは、専門家であるデザイナーが主体となって有用性を主張し、ユーザーがそれを受け入れるという形で生み出されていた。しかし現代に近づくにつれ、テクノロジーの発展なども寄与してユーザーからのフィードバックを受けられるようになり、デザインはユーザーの望む形が取り入れられるように少しずつ変化していったのだ。
こうした時代の変遷もあり、多くの人が対等な立場で関わり合いながらあらゆる人々にとってのいいモノを作り上げていくべきという、民主的デザインの考え方が生まれたと考えられる。
民主的デザインが広がった背景
民主的デザインの考え方は、スウェーデン発祥の世界最大の家具メーカーIKEA(イケア)が製品づくりにおける理念として掲げたことがきっかけとなり広がった。
IKEAは下記の5つの要素を兼ね備えた製品のことを”民主的デザイン”と定義している。
1. 美しいデザイン
2. 優れた機能性
3. サステナビリティ
4. 高品質
5. 低価格
その根底には、優れたホームファニッシング(一般家庭用備品)はあらゆる人々のためのものである、という考え方がある。
そして民主的デザインを構成する要素は1つでも欠けたり劣ったりしてはならず、すべてが等しく求めるレベルに達してこそ「みんなのためのデザイン」であると考えられている。
民主的デザインを実現できる理由
IKEAは民主的デザインの要素の1つとして「低価格」をあげているが、見た目が良くて使いやすく、かつ原料にこだわった丈夫なデザインを安く提供できる背景には、企業の地道な努力がある。
例えば、魅力的で多くの人の興味を惹く商品を作ることで大量生産を可能にし、製造コストを抑えている。また、製品を省スペースのフラットパック(※)に梱包して発送することで、保管コストや輸送コストを下げているのだ。
※家具などを部品に分けて隙間なく梱包し、開封後に組み立てるもの。
IKEAでは、こうして掲げている5つの民主的デザインの1つの要素も決して妥協することはなく、価格が高すぎる場合には、材料の見直しやデザイン変更をしたり、製造プロセスを1から作り直したりとさまざまな工夫を重ねている。
民主的デザインの例
民主的デザインのわかりやすい例として、IKEAの「FLISAT(フリサット)」シリーズの子ども用デスクがある。

Image via What is Democratic Design? – IKEA
この製品の特徴は以下のとおりである。
- 高さ調節機能により子どもの成長に合わせて高さを変えられるため長く使える
- 卓上◯◯やペーパーホルダーなど便利な機能がついていて使いやすい
- どの年代にも愛される高品質でクラシックなデザイン
- 材料にはサステナブルかつ再生可能な木材を使用
- 価格は日本円でおよそ14,000円(デスク+ベンチ)とリーズナブル
その他の商品に関しても、このように民主的デザインの5つの要素を満たすような設計が施されている。
かつては生産者側が安く大量に作ったモノを、消費者が受け入れて大量に消費することが良しとされていた。しかし気候変動などさまざまな環境問題に直面している現代では、消費者である私たちも主体的に考え選択し、行動していかなければならないだろう。
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【参照サイト】What is Democratic Design? – IKEA
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