座礁資産(ストランデッド・アセット)とは?
社会環境や市場環境が激変した結果、価値が大きく損なわれる資産のこと。たとえば、昨今は気候変動への対応として二酸化炭素排出量を削減しなければならない状況のため、現在は重要なエネルギー源と考えられている石油や石炭などの化石燃料資産の価値が大きく下がる恐れがある。この他にも、武器産業分野や農業分野でも座礁資産化する資産があると言われている。
エネルギー分野で生まれた言葉
座礁資産という概念は、2011年にイギリスのシンクタンクであるCarbon Tracker Initiativeが、「Unburnable Carbon」という報告書の中で初めて提唱した。同報告書は、二酸化炭素排出量を抑えるためには、排出できる二酸化炭素の量に限りがあり、地中に埋めたまま使用できない化石燃料があるとし、その価値を試算した。この使用できなくなる化石燃料資産が、座礁資産としてとらえられる。
座礁資産に対する投資家の反応
座礁資産化する可能性が高い資産を保有する企業は、これまで資産として計上していた資源が資産として扱われなくなるリスクを負う。座礁資産を保有し続ければビジネスリスクも大きい。これにともない企業に投資している投資家は、資金を回収できる見込みがないと判断し、投資の引き上げ(ダイベストメント)を行う動きが拡大する。
ダイベストメントの例として、ノルウェー公的年金基金は、収入の30%以上を石炭関連の事業から得ている企業を投資先リストから除く方針を決め、2017年に運用先から除外する企業のリストを公表した。これには日本の電力会社5社が含まれる。
2018年12月時点で、世界の1,000以上の機関が石炭、石油、天然ガス関連企業からのダイベストメントを表明した。
投資先企業の行動を変えるのも有効なアプローチ
ダイベストメントは投資家としてのひとつの選択肢だが、他の対応として、座礁資産を抱える企業に対し二酸化炭素排出量の削減目標を設定することを求めたり、座礁資産リスクに関する情報開示を求めたりする動きも出ている。座礁資産にどう向き合うのか、企業と投資家が共同で考えるのも良策だ。
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