チーフ・ハピネス・オフィサー(CHO)とは?
チーフ・ハピネス・オフィサー(Chief Happiness Officer、以下CHO)とは、企業において、従業員の幸福度を高めることによって企業の成長に寄与する責務を担う専門の役職を指す。
近年、欧米を中心として人間の幸福に関連する研究が進められており、そうした学問としての知見を企業の経営に取り入れようとする動きが世界で見られるようになったことから生まれた概念だ。
CHOの役割は、自社の従業員のエンゲージメントやモチベーションを高め、良いパフォーマンスを発揮させ少しでも長く働いてもらうよう努めることである。そのために日々従業員の健康状態などに気を配り、満足度調査を定期的に行ったり、社員同士のコミュニケーションの場を設けたりとさまざまな取組みを行う。
チーフ・ハピネス・オフィサー(CHO)の事例
CHOが世界に広く知られるようになった理由の一つとして、アメリカの巨大IT企業グーグル社にCHOが置かれたことがあげられる。元々エンジニアリング部門で働いていたチャディー・メン・タン氏が、ある仏教僧との出会いをきっかけに、グーグル社で幸福度向上の概念を取り入れ始めたのだ。
チャディー・メン・タン氏はグーグル社の「Jolly Good Fellow(ジョリー・グッド・フェロー)」として、幸福度や脳に関する学問を組み込んだマインドフルネスプログラムを導入し、それらを紹介した著書は世界中の人々の関心を得ている。
その他にも以下のような人物がCHOとして活躍し、会社の成長に貢献している。
- ジェン・リム氏(アメリカのコンサルティング会社Delivering Happiness社CEO兼CHO、元Zappos社コンサルタント)
- アレクサンダー・シェルルフ氏(デンマークのコンサルティング会社WooHoo社CHO)
- クリスティン・ユタード氏(フランスのファッションブランドKiabi社CHO)
またアメリカでは、2003年にファストフードチェーン・マクドナルド社が自社キャラクターである「ドナルド・マクドナルド」をCHOとしてPRし話題となっている。
チーフ・ハピネス・オフィサー(CHO)を置くメリット
アメリカの調査会社Gallup社は、世界中で雇用されている人のうちおよそ80%が職場へのエンゲージメントが低いという調査結果を発表。それにより仕事の生産性が落ちることは、世界のGDPの11%にあたる1,000兆円近い損失に値するとも結論付けている。
また10万社以上を対象に行った調査においては、社員のエンゲージメントの高さが上位4分の1に入る企業とそれ以外を比較した時以下のような結果が見られた。(一部抜粋)
- 顧客ロイヤリティが10%高い
- 収益率が23%高い
- 離職率が低い(元々離職率が40%以下の組織では43%低く、元々離職率が40%より大きい組織では18%低い)
このように社員のエンゲージメントすなわち幸福度を上げることは、社員の会社への定着率や生産性、ひいては企業の収益性の向上につながりやすいことが分かる。
もちろん現時点で社員の幸福度が低い組織において、社員の意識や企業文化を一朝一夕で変えることは容易ではない。しかし社員の幸福度という観点を会社経営に取り入れることで、会社の根本に眠る問題を認識しやすくなり、改善への糸口が見えてくる可能性がある。
技術の進歩や労働力不足により、今まで以上に一人材の生産性や会社への貢献度が重要となっていく中で、ワークエンゲージメント向上を専門に行うCHOの存在感も高まっていくのではないだろうか。
【参照サイト】The Gardian – Is a chief happiness officer really the best way to increase workplace happiness?
【参照サイト】TED – チャディー・メン・タン:Googleには毎日思いやりがある
【参照サイト】GALLUP – The World’s $7.8 Trillion Workplace Problem
【参照サイト】日本の人事部 – CHO(Chief Happiness Officer)
【参照サイト】Ideal Leaders – ウェルビーイング経営 ー 第3回 ウェルビーイング経営を促進するCHOとは?
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