CIO(Chief Impact Officers)とは?
CIO(Chief Impact Officers、チーフ・インパクト・オフィサー)は、企業の最高インパクト責任者のことを指す。いわゆるCレベルやC-Suiteと呼ばれる経営幹部職のひとつであり、主に社会的インパクトやサステナビリティに関連する戦略立案と実行を担う責任者である。
CIOは元来、NGOなどの非営利セクターで見られるポジションであったが、ESG課題やサステナビリティ課題に対する企業の対応が重要視されるようになるにつれ、民間企業でもCIOを任命するケースが見られるようになってきた。特に、社会課題解決をめざすスタートアップ企業などでCIOが設定されるケースが多い。
CIOの役割
CIOは比較的新しい役職であり、役割に関する共通認識はまだ形成されていないが、パーパス志向のリーダーのネットワークを提供する米国のスタートアップKindred社によると、CIOの主な責任は「企業のインパクトを測定し、伝えること」である。
具体的な役割としては、以下が挙げられている。
- 企業が追求するポジティブなインパクトと、それを達成するために必要な戦略を特定する
- 意思決定の指針となるインパクトの指標をトラッキングする
- 企業の事業活動がもたらすポジティブまたはネガティブなインパクトを伝える
- SDGsなど、既存のフレームワークとインパクト戦略を整合させる
- 組織の社会的、文化的、環境的な課題について、外部ステークホルダーに対するアンバサダーの役割を果たす
Kindred社によると、CIOと類似するものとして、CPO(Chief Purpose Officers)が挙げられる。いずれも、組織のミッション、ビジョン、バリューを通じてインパクトを推進するという点で類似しているが、この2つの役割には違いがあるという。
一般的に、CPOは社内に着目した活動を行い、組織のパーパスが実務全体に浸透するようにする一方で、CIOは、事業活動のインパクトについて外部の視点を持ち、それが企業のミッションやバリューとどのようにアラインしているかに着目する。
CIOの事例
以下に、CIOを導入している企業の事例を紹介する。
Salesforce
Salesforceのエグゼクティブ・ヴァイスプレジデント兼CIOを務めるのは、Suzanne DiBianca氏である。同社のステークホルダー資本戦略を主導し、イノベーティブな取り組みやダイナミックなパートナーシップを通じて、社会と環境にプラスのインパクトを与える役割を担っているという。CIOは同社のESG戦略および報告をリードし、ネット・ゼロ・エミッションに向けた気候変動対策プログラムなどにフォーカスした活動を実施している。
McDonald’s Corporation
米マクドナルド社は、2020年にエグゼクティブ・ヴァイスプレジデント兼グローバルCIOとしてKatie Beime Fallon氏を任命している。同社が新たに設定したパーパスである「to feed and foster communities」を達成するために設立されたグローバル・インパクト・チームを統括する役割を担っている。同チームは、政府とのリレーション、コミュニケーション、サステナビリティ、フィランソロピー活動およびESG戦略の監督など、パーパスの達成にむけた機能を集約しており、CIOのもと、世界にポジティブなインパクトをもたらすことを目指しているという。
CIOの今後
上記に挙げた2社はいずれも大企業であるが、大企業でCIOを任命している事例は、スタートアップ企業に比べると少ないのが現状だ。
しかし、大企業においても、インパクト志向を持ちインパクトを可視化しようという動向が注目されている。今後企業によるインパクト・マネジメントの要求も高まっていくと考えられ、将来的にCIOがより多くの企業で普及していく可能性もあるだろう。
【参照サイト】The Changing C-Suite: Understanding the Role of Chief Impact Officers and Chief Purpose Officers
【参照サイト】Why Chief Impact Officer is a must job for the future
【参照サイト】Salesforce leadership
【参照サイト】McDonald’s Creates Global Impact Team to Further Advance Corporate Purpose; Appoints Katie Beirne Fallon as EVP, Chief Global Impact Officer
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