Browse By

サイバーカスケードとは・意味

スマホ サイバーカスケードに陥る

サイバーカスケードとは?

サイバーカスケード(cyber cascade)とは、考えや思想を同じくする人々がインターネット上で強力に結びついた結果、異なる意見を一切排除した、閉鎖的で過激なコミュニティを形成する現象のこと。集団極性化の一種。

サイバーカスケードに至るまで

大のイグアナ好きがいたとする。普段の生活圏内では彼の趣味に賛同してくれる人がいなくても、インターネットで検索すれば世界中の同志といとも簡単に出会える。自分はおかしいのだろうかと悩む必要もなく、自分の趣味について堂々と語れる。これがインターネットの良さだ。だが、熱を帯びたコミュニティが少し道を外し、例えば「イグアナの素晴らしさを解しようとしない世間」への反発心を溜めだすと、話が過激になる。こうしてサイバーカスケードの状態になる。

この状態を、自分と同じ意見があらゆる方向から返ってくる「反響室」のような狭いコミュニティで、同じような意見を見聞きし続ける「エコーチェンバー現象」とも呼ぶ。

インターネットと人

インターネットはそもそも、一生をかけても到底すべてを把握できないほど多様な情報、意見、感想が転がっている空間だ。にも関わらず多様性から目を背け、自分にとって心地よい言葉だけを追いかけ、あげく似た者同士だけで強固に結びつく傾向がある。それが人間の性だ。検索サイトのアルゴリズム(フィルター)により、自分が見たくない情報は排除し見たい情報だけを受け取るようになる「フィルターバブル」もある。

空間は用意されていても、自分が見たいものしか見ない、という属性や、承認されたい、何かに属したいという欲求が渦巻けば、人は客観性を簡単に放棄する。

極端であるということ

客観性が無い、集団極性化、と聞くと幼稚な印象を持つかもしれないが、そう侮ってばかりもいられない。この混沌とした世界で、多少の綻びや辻褄の合わなさなどものともせず、何かを確信した気になっている人や集団は、ある意味強い。

その超然とした確信ぶりに多くの人が感化され、雪だるま式に集団が膨れ上がっていく。インターネット上のことに限らず、サイバーカスケードのような現象を嘆いている人たちは、極端であるからこそ醸し出せる「凄み」がある点については一目置いてみてもいいかもしれない。

【関連記事】フィルターバブルとは・意味
【関連記事】エコーチェンバー現象とは・意味




用語の一覧

あ行
か行
さ行
た行
な行
は行

ま行
や行
ら行
わ行
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
L
M
N
O
P
Q
R
S
T
V
W
X
数字

FacebookTwitter