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デジタルスウェットショップとは・意味

デジタルスウェットショップ

デジタルスウェットショップとは?

労働者を低賃金かつ劣悪な労働条件で働かせるスウェットショップ(Sweatshop:搾取工場)が、時代に合わせてデジタル化したもの。具体的には、農業や工場での肉体労働の業務ではなく、インターネットやエクセル等を使った業務の対価が通常に比べて著しく低く、労働者から搾取している状態を指す。

近年、フリーランスになることや副業を始めることに対するハードルは、クラウドソーシングサービスの登場によって大きく下がった。しかし、拘束時間の長い業務に対して、極端に低い金額を提示している事業者を見たことはないだろうか。

米ロヨラ大学のThe Center for Digital Ethics and Policyは、これについて「クラウドソーシングプラットフォームでは、ユーザー(事業者側)の匿名性を保護することが、かえって多くのリスクを伴うことにつながっている。どのような会社が何のためにこの仕事を依頼しているのか、という情報を労働者がほとんど知らない場合、アンフェアな状況や搾取と戦うことは難しいだろう」と述べる。

何も知らない労働者は、安い賃金で1日中「画像へのタグ付け」「テキストの一部のコピー&ペースト」などの作業を繰り返すことになるのだ。これは、“デジタル上の工場” の組み立てラインで働くことと変わらない。搾取される労働者は、東南アジアやサハラ以南のアフリカにいることが多いというが、日本でもありえる話である。

デジタルスウェットショップだと言われるサービス

The Center for Digital Ethics and Policyは、Amazon社の提供するクラウドソーシングサービス「メカニカルターク」をデジタルスウェットショップだと指摘する。2009年の同サービス労働者の推定時給は2.30米ドルで、米国の最低賃金の時給7.25米ドルをはるかに下回っていたのだ。米国における多くの雇用を生み出しているという点では良いサービスだと捉えることもできるが、労働者は賃金アップを求めるほどの力をもっていないことがほとんどだという。

デジタルスウェットショップによる労働者の搾取を防ぐには、サービスを提供する企業がルールを定め、透明性を確保することが欠かせない。オンラインでの仕事がますます増えるなかで、デジタルスウェットショップにならないためにはどうしたらよいのか、議論されていくことだろう。

【参照サイト】Online Talent Platforms — A Boon for Workers or Digital Sweatshop?
【関連ページ】スウェットショップとは・意味

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